ポタフェス2016の公式サイトより

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 ここ数年、衰える気配を見せないポータブルオーディオ市場。10月に東京・中野サンプラザで行なわれた「秋のヘッドフォン祭 2016」が好評のうちに幕を閉じたばかりだが、今度は12月17日、18日に秋葉原で「2016 冬のポタフェス」が開催される。

◆耳型を採取してオーダーするイヤホン

 通常のMP3音源よりも高音質が望めるハイレゾ対応のポータブルプレーヤーや、iPhone 7のステレオミニ端子廃止にともなって製品数が急増しているBluetoothヘッドホン&イヤホンなど、今後のポータブルオーディオの主流になりそうなガジェットがズラリと並ぶこれらのイベント。

 その中にあって、毎回特に来客の高い注目を集めているのが「カスタムIEM」というジャンルである。

 カスタムIEMは、カスタム・イン・イヤー・モニターの略。簡単に言えばオーダーメイドできるイヤホンのこと。インプレッションと呼ばれるシリコンの耳型を採取し、そこから自分の耳にジャストフィットする一品を仕上げてもらうというものだ。

 たとえその呼び名に聞きなじみがなくても、ライヴやテレビでミュージシャンがよく耳に付けているアレ、と言えばイメージできる方も多いだろう。

◆気になるカスタムIEMのお値段は?

 オーダーメイドなので、当然ながら自分の耳によくフィットするが、通常のイヤホンに比べるとかなり高価。コアとなる価格帯は10万〜15万円前後。安価なもので4万〜5万円、ハイエンドゾーンには30万円台後半のものまである。

 インプレッションの採取も有料で(5,000円前後)、完成までには1〜3か月ほどかかる。

 そう書き連ねると、ずいぶんハードルの高い、一部のマニア向けの嗜好品のように思えてしまうが、ヘッドホン&イヤホン専門店などで定期的に開かれる耳型の採取会は連日盛況で、20〜60代まで年齢層が思いのほか幅広いことにも驚かされる。

 ある国内オーディオメーカーの発表によると、’14年には3500台(5億円)ほどだったカスタムIEMの市場は、’15年に1万5000台(15億円)、’16年には3万台(25億円)に届くほど拡大しているという。

◆筆者も初めてカスタムIEMを購入

 実は筆者も、このところにわかに“カスタムIEM熱”にほだされたひとり。専門店で国内外のさまざまなメーカーの製品を数週間かけて試聴した結果、FitEar(フィットイヤー)という国内メーカーの「Private 223」にモデルを決定。この夏の終わりに耳型を採取し、10月に“マイ・ファースト・カスタムIEM”を手にしたばかりだ。

⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=116203

 ちなみに、このFitEarの母体は、補聴器の製作と歯科技工全般を手がける「須山歯研」。補聴器製作で培ったノウハウに加え、義歯製作で求められる形状や色調への審美的観点がカスタムIEMの製作の基盤になっているというだけあって、その仕上がりは工芸品さながらの美しさ。

⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=116204

“カスタム”なだけに、シェル(イヤホンの本体部分)のカラーリングの選定や名入れが可能なことも所有する喜びを高めてくれる。透明のシェルを選べば緻密な内部構造を眺めることができるので、高級時計などの精密機械好きにもたまらないだろう。

◆驚くほどの装着性と遮音性の高さ!

 カスタムIEMの特長は、何と言ってもまずその装着性の高さ。自分の耳型に合わせて成型するわけだから当然だが、驚くほど遮音性が高い。なので、多くのカスタムIEMメーカーでは屋外での歩きながらの使用を避けるよう呼びかけているぐらいである。

⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=116751

 聴感上の静けさが増すことは、もちろん音質的にも大きなメリットで、まるで顕微鏡をのぞくような感覚で細かい音に耳を澄ますことができる。また、ほとんどのカスタムIEMが採用するBA型(バランスド・アーマチュア)というドライバー型式は、通常のダイナミック型イヤホンに比べて音の分離がよく、解像度の高さや高域方向の繊細さが持ち味とされているので、そういうミクロな聴き方をしたい向きにもうってつけというわけだ。