『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK総合 毎週木曜22:25〜)。第20回(11月10日放送)のコントは「女マン」「家出」「ムロ待ち」「我が村のジャーナリズム」の4本。女マンには竹内涼真がゲスト出演した。意外にも女マン初のゲストである。

内村「背がこんな高くて、顔がこんくらいで、あとね、いい匂いがしました(笑)」
田中「いい男って、なんでいい匂いするんですかね!?」
内村「そうなの!それなのよ!」
田中「ね!?」
内村「加齢臭しか出てこないからね!」


女マン、壁ドンされる


#15#18と「女漫談」形式が続いた「女マン」。久々の通常回。喫茶店にて、同棲相手の素っ気なさを嘆く女子(石橋杏奈)と、男側の事情を汲み取ろうとする男子(ムロツヨシ)。そこに女性の味方・女マンが、ドリンク片手に「まだ飲んでいる途中でしょうが!」と割り込んでくる(『北の国から '84 夏』より)

女マンがムロツヨシに女チョップを食らわしているところに、同棲している彼氏(竹内涼真)が登場。「こんな男と一刻も早く別れて、私と一緒に古民家カフェの手作りクロワッサンをインスタに上げようじゃないか」と彼女を連れ出そうとする女マンを、渾身の壁ドンで押さえつける。女マン、あまりの顔の近さに胸キュンが止まらない。

「女性には興味が無い、かと言ってオネェでもない、私は女マンだ」と性別も性癖もぼんやりさせていた女マンが、初めて男性に惚れた顔を見せた瞬間であった。腕の中で「オネェじゃないもん……女マンだもん……」と震え、「男なんか……男なんか……」と崩れ落ちる女マン。惚れてしまう、でも惚れてはいけない……という葛藤がそこにあった。なにがあったんだ女マン。もうこれは「うそ太郎エピソード0」みたいに「女マン エピソード0」もやったほうがいいのではと思う。

「木曜はLIFE!に嫁ごう」


「ムロ待ち」も今回で4回目。公式HPのライフホットワンによれば、黄金原さん(シソンヌじろう)は「ムロファン歴17年」とのこと。17年前の1999年は、ムロツヨシが俳優の活動を始めた年。さすが自称「ムロツヨシを育てた女」である。

「ムロ待ち」は最初の出会いと最後のきっかけだけが決まっており、あとのやりとりは全てアドリブ。今回、黄金原さんが「気持ち悪い」と引っかかったのはムロツヨシのTwitter。「、」をやたら使うのである。




あまりに独特な読点の使い方に、黄金原さんも「『。』となんかあったんですか?」と不思議顔。さらにシーズン4開始時のこのつぶやきにも言及。




黄金原さん「私これ読んだとき悔しくて〜。これ全く浸透してないじゃないですか〜」

ムロツヨシ本人すら4月7日のつぶやきで使ったのを最後にぱったりと「嫁ごう」を使わなくなっていた。そういえば#2では塚地が「朝ドラに対して夜コン(夜のコント)」を提唱していたけど、これもいつの間にか消滅。フレーズを定着させるのって難しい。

分断される村とアメリカ


「我が村のジャーナリズム」では、新聞社出身のタウン誌編集者(石橋杏奈)が、ジャーナリズムを盾にのどかな村をかき回す。ただの子供のいたずらなのに、用水路建設計画推進派と反対派の争いを勝手に当てはめ、村人の対立を煽ってしまうのだ。

その言葉を信じ、反対派への敵意をむき出しにする推進派の農家・小塚さん(内村光良)、呑気な態度を豹変させ「この村にはこの村のやり方がある……」と睨みつける駐在(田中直樹)、「そんなことないから」とツッコむ編集長(塚地武雅)。石橋杏奈が内村・田中・塚地のベテラン芸人3人を相手に立ち回る構図になっていた。真剣なトーンで演技する石橋に対し、3人は賛同・対立・ツッコミと、それぞれの立場を演じて視聴者を笑わせる。ベテランたちの受けの演技を堪能できるコントである。

さて、#20の放送日は11月10日。アメリカ大統領選挙でトランプ候補が勝利した次の日だ。石橋演じる編集者は「この村の悪い膿を出したい」と存在しない悪意に鼻息を荒くして、こんな演説をしている。

「この国は未だかつてない危機を迎えようとしています。混迷する経済、広がる所得格差、イギリスもEUから離脱しようとしている今、我々も自分たちの手で、この村から変えていく。そして、日本を再生するんです!」

想定外だったトランプ大統領誕生にぼんやりとした危機感を持つ人たちを、ふんわりと撫でる台詞になっていた。このタイミングで、中身の無いアジテートに乗る滑稽さを描いたコントである。つまり村の分断は、そのままアメリカの分断に重なり……というのは、考え過ぎでしょうかね。

今夜11月17日(木)放送の『LIFE!』第21回では、オモえもんやゲスニックマガジン西条など人気キャラが続々登場。そして久しぶりの「梅雨入り坊や」には市川猿之助がゲスト。梅雨入りを宣言しないまま半年経ってしまった梅雨入り坊や、果たして梅雨は明けたのか?それともまだ明けていないのか?

(井上マサキ)