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鍼灸師・若林理砂さんが、あなたの近くにいそうなキャラたちの健康相談に答えるこの連載。シーズン1で登場した個性豊かな患者さんたちの「再診」で、現代を生きる人が陥りがちな、体と心の関係を探っていきます。

男性、30代、漫画家
アシスタントは基本依頼せず独り作業が常。作業の様子を動画で公開することも。自炊はしない主義。前回は見た目が老け込んできたことに悩んで来院しましたが、今回はどうもそうではないようで…?

おや、再診ですね。どうなさいました?

「先生、医者に行ってもらちが明かないから、東洋医学的に見てもらおうと思って。僕、大丈夫ですよね?」

何かあったんですね。

○今日の患者さんの悩み「検査をしてもめまいの原因が見つからない」

「締め切り前に完徹した次の日、ひどいめまいがして倒れちゃったんですよ。その後も3日間、起き上がると天井が回るような状態で、寝込んでしまって。なんとか動けるようになってから脳神経外科に行ったんですが、検査してもなんともないっていわれまして」

ははあ、それ、耳鼻科に行ったほうがいいめまいですね。

「はい、脳神経外科でもそういわれました。ですが、耳鼻科で済むようなめまいでこんなに寝込むわけがないと思うし、ほかに大きな病気が隠れているんじゃないかと不安で不安で。脳ドックとかもかかったんですけど、何ともないって……」

おや、何ともないという診断だったのに、不安が消えないということですか?

「はい。全く健康だって言われるんですが、なんとなくまだ眩暈がするような気がして。いつか腕が動かなくなってもう二度と描けなくなるんじゃないかと……」

あらまあ。じゃあ、また何か別の検査、してもらおうと思っていらっしゃったりします?

「はい……きっと何か見落としがあるんだと思うんですよ」

○検査で見つからない「問題」は身近に

うーーーーん。おそらく、次の病院でも何も見つからないと思いますよ。顔色その他、東洋医学的な見地からみると、見落としがあるのは医師ではなくて、先生自身のほうだと思います。

「え、僕のほうですか?」

先生、めまいが出て倒れてからも、夜遅くまで描いていたり、たまに編集さんと明け方まで飲んでたりしてるんじゃないですか? 慢性的な睡眠不足と、アルコールの摂取過剰も時々あって、つまるところ、今まで通りの生活を続けている状態では?

「……はい、その通りです」

それと、その徹夜って、今度の新連載のでしょう? 私この間雑誌で見ましたよ、次週から連載開始でしたよね。新しい連載を始めるとなると、取材とか打ち合わせが増えて過労に陥りがちですし。

それに次の連載、ユーラシア大陸の真ん中付近が舞台だったでしょ? ブログで書かれてましたけど、取材旅行に行かれたんですよね。そうしたら時差も加わって、自律神経系もおかしくなります。疾患以外のこういった外的な要因も、十分めまいの原因になりうるものですよ。

○「病気になったらどうしよう」という不安解消のためにすべきこと

こういうのって「予期不安」というもので、「〇〇になったらどうしよう」と先のことを心配することで、自分の行動を制限したり、恐怖に駆られて精神状態が悪化したりするんです。今まで通り動けていて、新しい連載のための取材旅行もこなせているなら、健康状態は問題ないんですよ。

問題になるのは、今まで通りに不摂生な生活が続けられているということです。

先生が心配なさっている「脳の病気で二度と描けなくなる」という不安、ある意味当たってはいるんです。このままの生活習慣を続けていると、今回のめまいとは別に発症する可能性は高くなりますから。

脳の病気にかかって二度と描けなくなったらどうしようと恐怖に駆られるなら、今の生活習慣をただすほうへ向かったほうが建設的です。

たいていこういった予期不安というのは、過労や睡眠不足などで体の状態が悪化しているとひどくなります。まずはしっかり睡眠をとれるように仕事のペースを整え、日中に作業ができるように生活習慣を作っていきましょう。

先生の次の連載楽しみにしていますから。最終回まで描き切れるように、自分でできることを始めましょう!

お大事に、養生なさってくださいね!

(若林理砂)