Jリーグのユニフォームを着て、喜ぶスリランカの子どもたち

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 いま、アジアサッカーが熱い。東南アジアや中国、インドなどの新興国でサッカーが爆発的な人気を博してきており、その経済規模も日本サッカーを凌駕するものが出てきている。サッカーのレベルも徐々に日本や韓国などの強豪国に近づいてきており、色んな意味で無視できない存在となってきている。

 しかしながら、まだまだアジアの小国においては世界の舞台からかけ離れた地域も存在する。東アジアだと、香港やマカオ、台湾などの中華圏地域や、グアム、サイパンのように国家からは独立したような形でサッカー協会が存在し、「地域」としての代表チームが存在する。また、インドはようやくサッカー人気が出てきたが、スリランカやパキスタンなどの南アジアはまだまだクリケットの人気が高く、サッカーはいまだ不毛の地とも言える。

 先月、スリランカにて、Jリーグが各Jリーグクラブのサポーターやファンに呼びかけ、約540枚のJリーグクラブの中古ユニフォームを集め、スリランカの子どもに届けるとともに、現地でサッカー教室を行う活動が行われた。この活動は2011年のカンボジアに始まり、東ティモール、ミャンマー、ブータンで行われ、5カ国目となる今回はスリランカで行われた。

 この取り組みは、昨年から日本政府が推進する「スポーツ・フォー・トゥモロー認定プログラム」である。昨年に引き続き、ここに参加した「アジアサッカー研究所」記者のレポートをお届けする。

◆スリランカで最もサッカー熱が高い地域・ジャフナ

 今回の活動(ユニフォーム配布とサッカー教室)は、スリランカ最大の経済都市として有名なコロンボではなく、北部の中心都市ジャフナで行われた。スリランカは1983年から2009年まで北部・東部に多く住むタミル人の反政府組織と、スリランカ政府(スリランカの人口約7割はシンハラ人)との内戦状態にあった。今回訪れたジャフナも2009年までは戦場となっており、現在も戦争の傷跡として県庁跡などが残されている土地だ。

 現地コーディネートは、スリランカでも活動しているJICA(国際協力機構)の方々が担当した。JICAのボランティア調整員、現地でタミル語の通訳を担う隊員、サッカー教室の運営に当たるサッカー隊員や体育教師隊員と様々なスタッフが携わったプロジェクトとなり、まずはコロンボの街で、主催のJリーグのメンバーとの顔合わせが行われた。JICAはスリランカに約70人ものスタッフを派遣している。その派遣地域はほぼスリランカ全土といえるほどに広域に渡る。コロンボの空港建設やスリランカ初の高速道路の建設など、JICAの活動は多くのスリランカの人たちにも知られているようだ。

 スリランカの国技はバレーボールであるが、最も人気のあるスポーツはクリケット、ついでラグビー。その次にサッカーというのがスリランカでのスポーツの知名度だが、ジャフナではクリケットとサッカーがほぼ同等か、サッカーの方が人気があるくらいと言われており、スリランカ代表チームにもジャフナから多くの選手が輩出されている。

◆スリランカの子供たちの歓待を受ける

 JICAスリランカ事務所での顔合わせ後は、スリランカサッカー協会を訪問。

 筆者たちを迎え入れてくれたセクレタリージェネラルのバレンドラ・アンソニー氏が、同国のサッカー事情を話してくれた。

 スリランカのFIFA世界ランキングは194位(2016年10月20日現在)。残念ながら1993年からランキングが下がっている傾向にある。スリランカサッカー協会には日本サッカー協会からU-16スリランカ代表監督として鈴木 隣氏(これまでドイツ、タジキスタン、北マリアナ諸島にて監督を経験)が、JICAからはサッカー隊員の中野氏がコーチとして関わっている。