おもしろいこと、この地から。週 刊 東 北! Vol.017/今週末は代官山で、お寿司とクラフトビールに乾杯!

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【毎週水曜 16:00 更新】
今週末、東京・代官山にあるクラフトビールレストラン「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」にて、「寿司×クラフトビールフェス」が行われる。3回目を迎え、東北の気鋭の寿司店とクラフトブルワリーも参加。寿司12種×クラフトビール16種が提供される。イベントに先がけ、ライターMがペアリングを体験してきました!







さっぱりとした白身魚にコクのあるあん肝を乗せて柑橘系をアクセントに。<白身魚 あん肝のせ>/醸造所も併設した臨場感あふれるビアダイニング、SPRING VALLEY BREWERY TOKYO/ビールカップには寿司店の湯のみのごとく魚へんの漢字がずらり

◆カラフルでユニーク、そしてバラエティ豊か。
回転寿司×クラフトビール

“クラフトビールの可能性と新しい和食文化の創造”をテーマに、今年の2月にスタートした「寿司×クラフトビールフェス」。初回は2日間で1700名が来場し、好評を受けて開催した第2回には、1800名が集まったという。

あまり一般的でない組み合わせとされてきた、ビール×寿司のペアリングだけど、“クラフト”ビールと回転寿司、となると話は別。そこには多くの共通点がある。たとえば回転寿司のネタは、今や魚介に限らず野菜あり肉あり、調理法の幅や組み合わせもさまざま。さらに、ビジュアルもカラフルで遊び心に溢れ、グルメ寿司市場は元気なよう。
回転寿司が持つそんな特徴はクラフトビールにもそのまま当てはまり、共に伝統を守りながら新しいチャレンジを続ける柔軟な姿勢も相通じる。そんな多くの共通点からスタートしたフェスなのだ。

フェスの仕掛人であり舞台となる「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO」は、震災直後から今日に至るまでさまざまなカタチで復興支援を続けているキリンが手掛ける、ビアダイニング。イベント3回目にして、寿司の美味しさの要である豊かな漁場を持つ「東北」をテーマに開催することは、当然の流れだったのだろう。



(右から)フィッシャーマン・ジャパンの魚谷浩さんと長谷川琢也さん、SPRING VALLEY BREWERY TOKYOの福井森男さん、いわて蔵ビールの佐藤航さん



(右→左)うまい鮨勘の瀬戸光一さん、清次郎の梶原隆宏さん、まぐろ問屋三浦三崎港の川股竜二さん

◆代官山にやってくるのは
岩手・宮城の寿司店とクラフトビール店

今回の参加寿司店のうち2店は東北から出店。宮城「うまい鮨勘」の瀬戸さんが「ビールとのペアリングにとらわれず、東京の人に食べてもらいたいネタを選びました」と話すと、「これぞ東北の味! と誇れる味と旬の名産品を集めました」と、岩手「清次郎」の梶原さんも後に続ける。
東京を代表して迎える立場となるのは初回から参加している、「まぐろ問屋 三浦三崎港」。「東北チームの気合いに後押しされて、原価を顧みず頑張りました(笑)。言わば、このフェスは食の東北旅行。東京だけでなく東北にも巡回してフェスをしたい。第4回は、是非東北で!」と川股さんが力強く受け止める。

クラフトブルワリーはSPRING VALLEY BREWERY TOKYOの他、秋田、岩手、宮城、福島からの4社が参加する。

<ジャパニーズハーブエール山椒>と<オイスタースタウト>をエントリーする、いわて蔵ビールの佐藤さんは、「山椒も牡蠣もビールの素材としては奇抜なようだけれど、もともと土地で採れていたものを岩手の個性としてどのように伝えるか、という発想から生まれました。<ジャパニーズハーブエール山椒>は柑橘のような風味が香り、女性にも好まれるビール。牡蠣の身と殻を使った黒ビール<オイスタースタウト>はコクのある味わい。クラフトビールをきっかけに東北に遊びに来てくれる人が増えたら」と話してくれた。

参加者の中には、漁業を盛り上げる東北の若手漁師集団であり、漁師と触れ合える居酒屋<宮城漁師漁場 魚谷屋>を手掛ける、フィッシャーマンジャパンのメンバーの姿も。(本連載「週刊東北!」vol.007・008に登場。リンクは下記)

「僕らは、三陸のホヤを使ったサイドメニューで参戦。ホヤのおいしさを伝えるために、どんなアレンジで味わってもらおうか、SPRING VALLEY BREWERY TOKYOのシェフと目下相談中です。お楽しみに!」と魚谷浩さん。



おいしいマリアージュを教えてくれる、ペアリングリスト





濃い色合い同士の、仙台牛タンにぎり(奥)とオイスタースタウトのペアリング/ピルスナー系のビールは懐深し。三崎まぐろのハラモ ユッケ風(奥)とは相乗効果を生むペアリング



ミツカンが手掛けるケーキ寿司は見ためも可愛く、パーティーシーズンにぴったり

◆寿司12種×クラフトビール16種=144通り
多彩なペアリングが楽しめる!

イベントには、寿司職人が目の前で握る寿司12種がひと皿300円、クラフトビール16種は小サイズが300円、大サイズが600円で登場。来場者が好きずきにペアリングを楽しめるという趣向になっている。参考として当日はペアリングのヒントになるリストが配布されるのでご安心を。
リストによると、大きく分けるとペアリングの方向性は、1似た色同士 2似た風味同士 3相乗効果を生み出す、という3つがあるそう。

シートを参考にいざ実食へ。まず1の<三陸とろ鯖黄金焼き棒ずし/清次郎>×<古代米アンバー/秋田あくら>は、色合いだけでなく味わいの奥行きも似ていて舌になじむおいしさ。
次に2の<真だらの昆布〆(白子乗せ)/うまい鮨勘>×<だし三昧(寿司フェス限定)/SPRING VALLEY BREWERY TOKYO>は、真だらの深い旨味が貝や椎茸、かつお節の出汁を用いたビールとお互いを引き立て合う。(ちなみにライターMが最も印象的だったのはこのペアリングでした!)

相乗効果の3は<のどぐろ炙り ぬちまーす掛け/まぐろ問屋三浦三崎港恵み>。脂の乗った旨味と炙りの香ばしさに、<ジャパニーズハーブエール山椒/いわて蔵>の爽やかな香りが口の中をさっぱりとさせ、次への食欲が増すよう。ビールと寿司を掛け合わせることで、ぐっとまろやかに感じたり、素材や原料の持ち味が際立ったりと、発見がいっぱい!



モダンな雰囲気とライブ感が魅力のSPRING VALLEY BREWERY TOKYO店内



「寿司×クラフトビールフェス(東北編)」参加者のみなさんから気合いが伝わる

◆楽しみながら味わうことで
東北と東京がつながる2日間

寿司もクラフトビールも、それ自体が多様だけれど、ペアリングすることでより豊かな味わいになる。さらに、造り手の思いに触れることで、産地である東北の海や食材が採れる土地へと思いを巡らせることができるのも大きな魅力。
今回のフェスでは、ビール1杯、寿司ひと皿につき10円をキリン絆プロジェクトを通じて東北に寄付し、来場者に配る箸置きには東北地方の間伐材を使用するそう。

「寿司×クラフトビールフェス」の2日間は、東北と東京がつながる日でもある。今週末は、東北に会いにいざ代官山へ!



寿司と日本のクラフトビールの新しい楽しみ方を体験できる。第3回目を迎え、今回は「東北編」と銘打ち、東北の寿司店とクラフトブルワリーが参加する。ミツカンがプロデュースするケーキ寿司のワークショップほか、まぐろ解体ショー(11/19)、三味線ライブ(11/20)なども開催予定。

日時 11月19日(土)11:00〜22:00/11月20日(日)11:00〜20:00
会場 SPRING VALLEY BREWERY TOKYO
問い合わせTEL 03-6416-4960

WRITING/AKIKO MORI PHOTO/YUKO CHIBA