■S660のターボエンジンは中回転トルク型

首都高速から続いて東関東自動車道を抜け、千葉県の房総半島に向かいました。高速を降りてもう一度ルーフを外し、ウィンドウを下げたフルオープンで房総の里山を走り出すと、これがまた気持ち良い〜っ!

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ステアリングを切るとフロントが切れ味よく反応して、クルマがドライバーを中心に旋回しながら、コーナーをクリアしていきます。ホイールベースが長く前後オーバーハングが短いパッケージングなので、体感的には少し薄いものの、重量物のエンジンが運転席の後方にあるミッドシップならではのハンドリングを味わうことができます。

コーナー入口では、手首だけで操作できる6速マニュアルのシフトダウンが、カチッと決まります。またコーナー出口でエンジンの一番美味しい4千〜5千回転を使うと、気持ち良い加速で立ち上がることができます。右足でアクセルを踏み込み、左足で駆動伝達を感じながら、俊敏で力強いマニュアルドライビングを堪能することができました。

ただ意外だったのは、エンジンパワーの特性です。5千回転から上も軽く回るのですが、回してもパワーがついてこないのですネ。「ホンダはNA&高回転」というイメージとは随分違う特性なので、正直最初は戸惑いました。でも4千〜5千回転域の太いトルクを活かした走りも新鮮で大いに楽しめました。

■お楽しみは、プシュープシュー音

それからS660には、もう一つお楽しみがありました。シート背面にある小振りなリアウィンドウは開閉式なのですが、最初は空調用だと思っていました。実際に開けると風通しが良くなるのですが、加えてシフトアップの度に遠くで聞こえていた「プシュー」音が、間近で聞こえるようになるのですネ。

これはターボエンジンがアクセルオフ時にブローオフバルブから発する音ですが、山坂道でシフトアップしながらスポーティに走っていると、「プシュー、プシュー」と威勢のいい音がキャビンに飛び込んでくるのです。これがとてもリズミカルで心地良く、クルマ好きにはたまりませんでした。標準仕様で、こういう遊び心は大大、大歓迎デス!

■日本人による日本人のためのスポーツカー

そしてなにより嬉しかったのは、軽規格の小さいボディと自主規制パワーのおかげで、狭い農道や山道でも道幅やスピードの出し過ぎをあまり気にせず、ドライブできることでした。

細い農道では田畑が織りなす日本らしい田園風景を、また写真のような狭くてうねった山道では森林浴とハンドリングを、それぞれ楽しむことができるのですネ。もちろん海岸線や山坂道では、アクセルを踏み込んだドライビングもOK〜っ!

つまりS660なら、日本中どんな場所でも四季折々の景色の中で爽快な走りが楽しめるのです。今もまさに、オープンカー・シーズンですよネ。S660はまさしく「日本人による日本人のためのスポーツカー」だと強く実感しました。

■燃費も疲れもミニマムな軽オープンスポーツ

今回のレンタル費は、9時間で約1万円。日曜日だったため首都高や国道で何度か渋滞に会ってしまいましたが、燃費は約270km走って18.6km/lでした。これだけ爽快な走りを楽しんでこの燃費なら、全く言うことありません。ちなみにトランクは、ルーフ収納専用で実質的には無いに等しいため、積載性への期待は禁物デス。

かつて90年代の軽オープンカーは、公道のゴーカートのようなやんちゃさがありましたが、S660では高剛性ボディと思い通りのハンドリング、そして必要十分なパワーと快適なキャビンのおかげで安心してドライブできました。9時間乗り続けましたが、疲労感が少ないことも本当に素晴らしいと思います。

筆者は、将来子どもたちが全員独立したら、是非ともS660を手元に置こうと自分の将来に固く誓った次第です!

(星崎  俊浩)

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