キャプテンとしてチームを牽引する長谷部は、本田や香川、岡崎のスタメン落ちには様々な想いがあるはずだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全2枚)

[ロシアW杯アジア最終予選]日本 2-1 サウジアラビア/11月15日/埼玉
 
 いずれも途中出場したとはいえ、これまでチームの主軸として活躍してきた本田圭佑、香川真司、岡崎慎司がサウジアラビア戦の先発から外されたのは、小さくない驚きだった。
 
 それでも日本は勝利を収めることができた。キャプテンの長谷部誠は「最低限の勝点3」としたうえで、「新たな競争というか、チームとして活性化してくる。勝点3以上の価値あるゲームだった」と振り返る。
 
「とにかく(先発の)11人だけでなく、チーム全員で勝つというのは、監督もミーティングで何度も言っていた。実際、交代で出た選手も、良いプレーをしていた」
 
 ベンチスタートとなった本田らに対しては、これまで長く日本代表でともに戦ってきただけに、様々な想いがあるのではないだろうか。少なくとも、彼らの奮起には期待しているようだ。
 
「僕は、選手としての本田圭佑、岡崎慎司、香川真司のファンでもある。彼らのサッカーに対する姿勢を、本当にリスペクトしている。ここから彼らがどう盛り返してくるのか。そこにすごく興味があります」
 
 下からの突き上げには頼もしさを感じている。それは間違いないが、“常連組”がこのまま代表からフェードアウトしていくとも考えていない。
 
 もちろん、自分自身にもそのつもりはないはずだ。「明日は我が身」と危機感を募らせる長谷部が、以前にも増して競争が激しくなったハリルジャパンでどんな進化を遂げるのか、興味は尽きない。
 
 そうした上の世代の踏ん張りや、下の世代のさらなる台頭が、チームをより高みへと導いていく。その相乗効果こそ、長谷部の言う「勝点3以上の価値」なのだろう。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
【日本代表PHOTO】サウジアラビア戦に集まった美女サポーターたち!