エクスペリアンジャパン 株式会社 / エクスペリアンジャパン株式会社

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さて、こうした国内よりも高い回収リスクが垣間見える中、私たちは何に注意しながら海外取引を進めるべきなのでしょうか。

王道としての信用調査

日本国内に限らず、海外においても取引相手の信用程度を判断するために、信用調査報告書が多く活用されています。国内企業の信用調査については、全業種に対応する大手信用調査会社や、繊維、建設といった特定の業界に深く根ざすことに強みを持つ調査会社があります。海外企業については、通称として名高いダンレポートや、私たちエクスペリアンが提供する調査報告書などが広く普及しています。国内企業調査についての詳細は別の機会に譲りますが、海外企業の信用調査報告書には大きく2つの作られ方があります。一つは公的資料や決算書を入手し、調査員の手により分析する日本の信用調査のアプローチに近い手法です。もう一つは、クレジットビューローと呼ばれるデータベースを活用したアプローチです。どちらも企業経営リスクを分析するものですが、リスク評価の考え方に大きな違いがあります。

点としての情報と線としての情報

先に述べたクレジットビューローは、エクスペリアンを含めた3社が業界三大として知られています(※1)。クレジットビューローは、個人(Consumer)と企業(Commercial)に分けられるのが一般的です。企業向けでは、会員企業を募り、自社取引先との決済状況を登録することにより、他社の取引先との決済情報が閲覧できるようになるという制度です。規模が大きくなればなるほど、自社にて取引を検討している企業の支払い情報が蓄積される形となり、過去の支払い遅延の状況が明らかになります。これらクレジットビューローが構築されている国々では、この過去の支払い履歴をベースにして訴訟履歴などを加味しながら債務不履行や倒産リスクを、統計学モデルを活用しつつ可視化します。これがもたらす最大の利益は、伝統的な調査報告書はあくまで調査時の点の情報に過ぎないのに対し、さまざまな取引先との決済情報が月次で収集されることにより、資金繰り悪化の傾向をタイムリーに見抜くことができることです。まさしく、点から線に視点を変えた情報といえるでしょう。

ビューローがない国では…

クレジットビューローが構築されていない国の多くの企業について、過去の支払い履歴を分析する事は極めて困難です。しかし、調査レポートがあくまで調査時点の情報であるとすれば、何らかの形で線の情報を収集していくことが求められます。
当然ながら、営業マンが月次で訪問することが可能であればいいのですが、こと海外。費用対効果を考えると、なかなか現実的ではありません。

線の情報を入手する

線として取引企業を見る場合、なにが望ましい情報でしょうか。国内でよく言われる従業員が暗くなった、経理部長が急に辞めた、代表者が酒場に入り浸っているなどなど、収集すべきとされる情報は枚挙にいとまがありません。エクスペリアンでは、長年にわたる企業信用調査、特に前回集計した廃業に紐付く企業の傾向として以下を重要な要素と捉えています。


日本国内において、すべての情報が掌握できるわけではありません。しかし、限られたリソースの中でも対策は可能で、Googleアラートなどの活用によりマスメディアの情報に網をはる、比較的廉価に購入できる商業登記・不動産登記等の公示資料の確認頻度を増やすといったことが、点の問題を解決する糸口になるのではないでしょうか?

出典
※1 https://www.usa.gov/credit-reports