オーディブルの「ハリー・ポッター」第1巻配信を発表した風間杜夫さん(右)と、会見に駆け付けた「大のハリポタファン」という高橋真麻さん

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スマートフォンなどの電子端末は、プリントメディアを「読む」ツールとしての利用も拡大しているが、加えて、物語や小説などを「聴く」ツールとしての期待が高まっている。「耳で読む本」といわれるオーディオブックを、インターネットを通じて提供する米Audible(オーディブル)は、日本でのサービス開始2年目の2016年、新しいエンターテインメントの開拓をめざし、俳優・風間杜夫さんを朗読に起用して、映画でもおなじみの「ハリー・ポッター」シリーズ全7作品のオーディオブック化を企画。11月9日に「第1巻」を配信し、12月21日に「第2巻」のリリースを予定している。

アマゾン・オーディブルからまず「第1巻」

「第1巻」が配信された11月9日、都内で「試聴体験会」が開かれ、風間さんによる朗読の実演などが行われた。風間さんは「朗読の経験がないわけではないが、難しさを感じる。聴く人が豊かに想像できるよう心掛け、作品に深く入ってもらえるよう努めている」などと、読むパフォーマンスへの意気込みを語った。

「ハリー・ポッター」の朗読は、俳優・江守徹さんによる「第1巻」と「第2巻」が、翻訳版の書籍を出版している静山社により03年にCD化されており、Audibleはこれらをオーディオブック化し16年7月と8月に配信していた。これらが好評で「続編」のニーズが高まり、全7巻を風間さんの朗読により配信することに決めたものだ。

物語の朗読はレコード、カセットテープ、CDなど、以前から時代に応じたメディアで流通していたが、現代ではインターネットを通じたものが主流。月額制で聴き放題のサービスやポッドキャストを使ったものなどがあり、Audibleは前者の一つで、日本では15年7月からAmazon(アマゾン)の定額制サービスとしてコンテンツを配信している。

Audibleのサービスは米国、日本のほか英国、ドイツ、フランスなど計7か国で展開されており、合わせて約30万タイトルが利用できる。日本では月1500円(税込)で、文芸作品のほかビジネス書、語学書から落語などまで用意されている。

スマホの利用が広まるのに合わせて、オーディオブックの需要拡大が見込まれている。通勤・通学の移動の間に、また、屋外やスポーツジムなど屋内でのジョギングやランニング、そのほかの運動中に――など、いわゆる「...ながら」の利用が容易なためだ。

インターネットにあがっている感想をみると、中高年の利用者から「眼鏡を気にせず読書できる」ことが利点として報告されているほか、アプリならではの「非常に便利な点」として、音声の速さが調節できることがあげられている。とくに「速読」重視の人たちに歓迎されている。