ベンチスタートに関して、香川は前夜のミーティングで言い渡されており、「想定内だった」と振り返る。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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[ロシアワールドカップ・アジア最終予選]日本 2-1 サウジアラビア/11月15日/埼スタ
 
 香川真司はサウジアラビアとの大一番で、64分からの途中出場だった。本田圭佑のスタメン落ちとともに、少なからず衝撃を与える采配となったが、エースナンバー10にとってそれは「想定内」だったという。試合前夜のミーティングで、ベンチスタートを言い渡され、気持ちの切り替えに努めていたからだ。

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「僕は怪我で(オマーン戦に)出ていない。コンディション的に見ても、キヨ(清武弘嗣)のほうが良いのは明らかで、オマーン戦でも結果(1得点・2アシスト)を残している。決して自分は、最終予選で結果を残している立場ではない。だから、自分の中でそれ(途中出場)は想定内だったし、そこは素直に準備した」
 
 しかし、後半に入るとサウジアラビアがポゼッションを高め、反撃に出てきたため、ピッチに立った香川に、攻撃で見せ場はほとんどなかった。たしかに、何度かカウンターに持ち込んだ場面はあった。ただ、80分の原口元気のゴールに絡んだ場面にしても、長友佑都のクロスに触れてコースを変えているとはいえ、本人が心底納得できる形とは言い難い。「得点がほしかったのは、誰しもが感じること」というのが本音だろう。
 
 この日、香川に代わってトップ下に入った清武は、オマーン戦に続く2試合連続ゴール。大迫勇也との連係を含め、ボールの集まりも良かった。対する香川は、カウンター色が強くなったなかで、仕掛けが単発になり、プレー回数も少ない。もちろん、後半はボール支配率が前半の53.0パーセントから37.8パーセントまで落ち込んだことは差し引かなければいけないが、それにしてもふたりの出来は対照的だった。
 かつて香川の“聖域”だったトップ下は、清武のものになりつつある印象だ。もはや同列の立場であることは、「絶対的なものがあるわけではないのは分かっていた」という本人の言葉からも感じ取れる。その一方で、この厳しい立場からどのように盛り返していくか、香川は11月シリーズの戦いを通して自分自身に期待をかけているようだ。
 
「刺激をもらった2試合でした。やっぱり、僕たちは結果を残すことが一番だし、それを証明した選手が試合に出るシンプルな世界。そのチャンスをモノにする準備や意識は、みんなが常に持ち続けないといけない。この(苦しい)状況を変えられるかは、自分次第だと思う。(本田)圭佑くんにしても岡ちゃん(岡崎慎司)にしても、前向きなものを得られたんじゃないかなと」
 
 このまま、後輩である清武の後塵を拝するわけにはいかない。最終予選が再開されるのは来年3月。名誉挽回の時まで、ひたすら己を磨くつもりだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)