過去最多の来場者で開催された三菱自動車の第36回定時株主総会(撮影:吉川忠行)

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経営再建中の三菱自動車<7211>の定時株主総会が23日午前、東京都港区の同社本社で開かれ、昨年より524人多い過去最多の906人の株主が出席した。益子修社長は冒頭で、一連のリコール隠し問題について「株主の皆様にご迷惑とご心配かけたことを深くお詫びする」と陳謝し、「社会から信頼されるように、全社一丸となって全力を傾注する」と再生への意欲を示した。

 質疑応答では、計19人の株主が質問に立ち「事件以来、三菱車をやめて、買い替えた」「本当に三菱車は安全なのか」「三菱はダサイ」などと厳しい意見が続出したが、「失敗に屈せず、夢と希望を持って前進して」など大半の発言に復活を願うエールが添えられた。

 総会では、04年度連結決算で過去最悪の大幅赤字を出した経営の現状を報告。三菱重工・三菱商事・東京三菱銀行を中心とした約5400億円の資本・金融支援の実施など今年1月に発表した「三菱自動車再生計画」をはじめ、日産自動車と仏プジョー・シトロエン・グループに対するOEM(相手先ブランドによる生産)供給や、「地域専用車」を見直し日米欧共通の「世界戦略車」に特化する方針を説明して、株主に理解を求めた。

 同再生計画には、06年度に税引き後利益80億円へ黒字転換、07年度に過去最高益となる410億円の達成などの目標が掲げられている。益子社長は「販売店にお客さんが戻って来ないことが最大の問題」として、販売店の意識改革に意欲を示した。商品開発担当の相川哲朗常務は「車体に付いている“スリーダイヤ”(三菱のシンボルマーク)はブランドイメージの構築には不可欠。誇りを持って乗って頂けるよう努力したい」と話した。

 同総会は2時間47分に及んだ。三菱の株主総数21万5308人のうち、出席株主数は5万2624人、出席者の持つ議決権数は282万6112個。新任6人(うち社外1人)を含む計12人の取締役人事など全4議案が賛成多数で承認された。【了】

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