BCG流“たった3つの関数”で作業時間を半減

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■作業時間を半減させる3つの関数とは?

自由自在に表計算できるエクセルは、資料作りの心強い味方。しかし、便利ゆえの落とし穴もある。「使っていて楽しく、仕事しているような気分になる。だから気づくと関係ない分析にのめりこんだり、目的と違うものを作ったりすることがありますよね。それを防ぐために、最初に必ず、『最後はこういうグラフにしたい』というアウトプットを設定する。そしてそこから逆算して、どういう分析をするか、どんな情報を集めるか、とアプローチを考えていきます」(ボストン コンサルティンググループ プロジェクトリーダー 堀内 喬氏)

さらに機能を追求しすぎるあまり、複雑な関数に走らないように注意したい。「難しい関数を使っても、作った人が休みで連絡を取れないとき、チームの他のメンバーは誰もその関数がわからないことがある。結果、逆に時間がかかるんです。エクセルでは基本的に、あまり複雑なことをやらない。シンプルかつわかりやすいロジックで作ると、後々チェックもしやすく、最終的に時短にもつながりますね」(BCG パートナー 堀川 隆氏)。

■エクセル時短テク

【1】よく使う機能はツールバーをカスタマイズ
よく使う機能を「クイック アクセス ツールバー」(aの赤囲み)に1つにまとめることで、いざ使いたいときに探す時間を省けて、スムーズ。

(a)「ファイル」タブから「オプション」を選択し、「クイック アクセス ツールバー」を選ぶと右画面が現れる。左の「コマンドの選択」の中から自分がよく使う機能を選択して真ん中の「追加」ボタンで右のユーザー設定に加える。

(b)ツールバーの下に表示する設定(赤囲み)にすると、左画面のように入力する表のすぐそばにバーが現れ、さらに使いやすい。

【2】最終チェックはスピーディーかつ確実に
データを作ること以上に重要なのは、ミスを防ぐことだ。計算や桁を1つ間違えると、それを根拠とした分析すべてが意味をなさなくなる可能性がある。

(c)数式の入ったセルが、どのセルを参照しているのかを調べる「参照元のトレース」。青い矢印で参照元を教えてくれる。

(d)数式に利用されているセルが、どの数式で使われているのかを調べる「参照先のトレース」。そのセルの式が参照したセルから青矢印を表示。

【3】伝えたい「違い」を見極めてグラフを選ぶ
データ分析の結果は、グラフの形で見せるケースが多いだろう。グラフのいいところは「違い」がひと目でわかるところ。そこで何を伝えるのに適しているのか、グラフの“得意分野”を見極めて選ぼう。

(e)散布図――2項目の関連性を点の分布で表示。データが直線を描けば、その相関関係は強い。全体からはずれた特異点は注目ポイント。

(f)棒グラフ――もっともオーソドックスなグラフ。2つ以上のものの、数量の違いをはっきりと表せる。何かを比較したいときに用いたい。

(g)滝グラフ――一番左の棒が基準を表し、様々な要素がどう変化して右側の状態に至ったかを可視化。収益の増減などをビジュアルで理解できる。

(h)バブルチャート――2つの軸で構成された表の値の量を、円の大きさで表したもの。ポートフォリオの評価などで利用されることが多い。

(i)面積図――別名「量率グラフ」。他と比べてどれぐらいの量があり、割合はどれぐらいか。その2つの要素を示しながら規模感を伝える。

【4】作業時間と目的を最初に明確にしておく
最初にどれだけの時間でやるのか、ゴールを決めておくと、安心感を持って作業に取り組める。また到達点に向け、集中して作成でき、チームのメンバーと作業分担する際も時間管理しやすい。ダラダラ無駄な時間をかけずに済む。

【5】セルは縦軸を固定し、横軸を増減
たとえば縦軸に決まっている取扱製品名を入れてフィックス。横軸にどんどん増えていく年月を入れていく。どのように増減したかが確認でき、ロジックの順序が追いやすくなるからだ。

【6】ショートカットは限定的に
ショートカットキーは、基本的に英単語の頭文字なので、実は覚えやすい。ただし、何でもショートカットを使おうとすると、逆に時間をとられる。「よく使うものだけに絞って覚えると時短に使えます」(堀内氏)。

【7】覚えておく関数は、3つのみ!
エクセルには便利な関数がたくさんあるが、よく使うのは3つ!「重要なのは、後で間違いをチェックできるか。そのためにはシンプルな関数を使い、一つ一つの手順が見えるように作ること」(堀川氏)。

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ボストン コンサルティンググループ(BCG) パートナー 堀川 隆
東京大学理学部卒。三和銀行、ING生命保険、AIGを経て現職。保険・金融業界等に対し、様々なプロジェクトを手掛けている。
 
BCGプロジェクトリーダー 堀内 喬
京都大学大学院工学研究科修士。情報通信、消費財業界等に対し、全社改革、新規事業立ち上げ等の戦略立案・支援を手掛けている。
 

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(文=鈴木 工)