ボーカルユニットX4のメンバーとしても活躍中の松下/撮影=平岩享

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連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK総合ほか)で、主人公すみれに思いを寄せる青年・岩佐栄輔役を好演している松下優也。朝ドラへの出演は今作が初。しかも制作サイドから出演オファーがあったのだという。

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「それはもう、ビックリの一言でしたよね。朝ドラってオーディションで決まるイメージがあったので…。ことしの初めに出演した『花より男子 The Musical』という舞台を見て声を掛けてくださったそうなんですけど、テレビや映画に比べて目に触れる機会も限られている中、そうやってちゃんと見てくださって、今回の話につながったというのは本当に嬉しかったです。あとから聞いたら、栄輔という役はネイティブな関西人に演じてもらいたいっていうのがあったみたいで。僕、兵庫県出身なんですけど、他の出演者の方って意外と関西ことばを話せる方は少ないんです。それに、すみれ(芳根京子)さんたちはもともとお金持ちの家柄だから、それほどとがった関西ことばは使わない。むしろ、根っからの関西ことばを話すのは栄輔だけというか。物語の舞台は神戸でもあるし、そういう自分が本来持っているものを活かせるという面でも、栄輔を演じられるというのはありがたいなって思いました」

撮影が始まって数カ月。最初は緊張していたという現場も、今では楽しく過ごせるようになったそう。

「現場では同じシーンが多いこともあって、潔役の高良(健吾)くんとよく話しますね。音楽の話とかファッションの話とか、趣味がすごく合うんですよ。僕が登場する3週目が完成したときは、映像を見た高良くんが『栄輔すごく良かったよ』っていう感想をメールでくれたりして。ドラマの中で栄輔は潔のことを兄貴と言って慕ってるんですけど、本当にそんな感じの存在です。それから、最近ではすみれさんの娘のさくらちゃんが本当にかわいくて。僕、もともとは子供がちょっと苦手だったんです。撮影に入ってからも、栄輔はさくらちゃんから『お父さん』って呼ばれるくらいにならないといけないって、周りの人たちからめっちゃプレッシャーかけられてて…。とりあえず自分という存在が怖くない大人だってことを覚えてもらうために、現場に入ったらすぐさくらちゃんと遊ぶようにしていたら、そのかわいさに僕の方がやられちゃいましたね(笑)。当然ですけど自分の子供じゃないし、それなのにここまでかわいいのかって思うと、いつかもし自分に子供ができたらすごいことになるんだろうなって思います(笑)」

そうした共演者たちとのドラマさながらの交流に微笑ましくなる一方、視聴者の関心はといえば栄輔が密かに思いを寄せるすみれとの行く末。戦地に行ったまま戻らない夫・紀夫(永山絢斗)を待つすみれ母子に、そっと寄り添う栄輔を松下自身はどう思っているのだろうか。

「演じながら、栄輔は優しすぎるなぁって思うこともあります。僕だったら思いだけでも伝えるかもしれない。でも、伝えたら気持ちが抑えきれなくなっちゃうような気もするし…。あ〜、めちゃめちゃ悩みますね。ただ、栄輔がああいう感じなのは、すみれさんの幸せを一番に願っているからだってことも分かるので、僕自身葛藤しながら演じています」

「べっぴんさん」出演によって役者として注目を浴びる松下だが、彼のキャリアのスタートは2008年に歌手デビューしたことだった。現在も俳優業と並行し、男性ボーカル&ダンスグループ「X4」のメンバー・YUYAとして活動している。

「昔からブラックミュージックが好きで、僕自身、歌って踊れる人というのにすごく憧れがあったんですよ。それで今、俳優と音楽活動の両方をやらせてもらってるんですけど、しっかりと音楽をしながら俳優もやってっていう人ってまだまだそんなに多くないと思うんですよね。なので、自分がそういう存在になりたいというか。今回の朝ドラへの出演は、デビューから8年経ってようやくつかんだチャンスだと思ってます。今まで真面目にやってきたご褒美かなとも思うんですけど、音楽にしても、お芝居にしても、普通の枠には収まらないような活動をこれからもしていきたいですね」