Doctors Me(ドクターズミー)- 性別の区別が難しい半陰陽って何? 複雑な状態や検査を医学的に解説

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半陰陽」(はんいんよう)という言葉を聞いたことがありますか? 日本では「両性具有」(りょうせいぐゆう)などと言われることもあります。 このような性の区別が難しいという人は実際にいます。 ただし、両性具有としてイメージされるものと、実際の当事者は少しずつ違います。 今回はその「半陰陽」ということについて詳しくまとめます。

要チェック項目

□半陰陽とは身体の性別の判定が難しい状態のことです。医学的には「性分化疾患」 □原因は解明されていませんが、さまざまな症状がある疾患群です □真性半陰陽や仮性半陰陽があり、出生時にわかる場合から、大人になるまで分からない場合もあります。

半陰陽とは

簡単に言ってしまえば身体の性別の判定が難しい状態のことです。医学的には「性分化疾患」に分類されます。 身体の性別を決定する基本要素は生殖器ですが、この他にも遺伝子、染色体、性腺、内性器、外性器などの一部またはすべてが、どちらの性か判別できないことを指しています。 例えば漫画や小説などのファンタジーの世界では時折見かける設定ではあります。しかし実際に、このような半陰陽の特徴を持つ人々は少なくとも数千人に一人の割合で見られると言われています。 半陰陽の人の場合は、外性器の形が通常とは異なる場合があることも多く、出生後すぐに発見されることがあります。 しかし中には、外性器の形が正常なために発見されず、思春期(第二次性徴の頃)になってから気が付いたり、不妊治療をすることで初めてわかったりすることもあります。

原因

半陰陽となる原因は未だすべて解明されてはいません。 男性と女性という性別は、染色体によって決定されます。男性の場合はXY、女性の場合はXXです。本来ならばこれにより性腺の性が決定され、それに従って外性器などが分化していきます。 しかし性分化疾患はこのプロセスのどこかで、非典型的な状態になってしまうようです。

医学的にみた半陰陽

このような性の判別が困難な半陰陽ですが、半陰陽以外にも以下のような呼ばれ方をされています。 ・インターセックス ・インターセクシャル/IS(アイエス) ・アンドロジニー ・第3の性 ・中性 しかし医学的には「性分化疾患」と言われます。

性分化疾患

性分化疾患とは特定の疾患を指すものではなく、約60種以上もある疾患群の包括的な総称です。医学用語として「染色体、生殖腺、もしくは解剖学的に性の発達が先天的に非定型的である状態」を指しています。 つまり、半陰陽にはさまざまなパターンがあるということです。

ジェンダーアイデンティティ

半陰陽とされる人々の大多数は、男女どちらかの「性自認」を持っているという調査結果があります。つまり、普通の場合と同じように違和感なく「自分は男である/女である」というジェンダー意識を持っているのです。 そのため、当事者の多くが「半陰陽」や「インターセックス」「第3の性」などと区別されることに抵抗を感じることもあるようです。

半陰陽の種類

いわゆる両性具有としてイメージされるような、両方の性を兼ね備えている場合以外にも、半陰陽のあり方はさまざまです。

真性半陰陽

両性の性腺を兼ね備えている場合は真性半陰陽と言われます。性腺とは精巣と卵巣のことです。組合せとしては、 ・片方の性腺が精巣で、もう片方は卵巣である場合 ・片方は精巣と卵巣が併存(卵精巣)し、もう片方が卵巣または精巣である場合 ・両方とも卵精巣である場合 があります。外性器も両方の特徴を兼ね備えている場合や男性に近い場合、女性に近い場合などと様々です。

仮性半陰陽

仮性半陰陽では、性腺は男女どちらか一方を持ち、外性器の形と染色体による性別と異なる場合を指します。性腺上の区別により、 ・男性仮性半陰陽 ・女性仮性半陰陽 と分けられます。出生時に外性器の形により発見される場合もありますが、完全に男性器/女性器である場合もあるため、気づかずに成長する場合もあります。 第二次性徴が出生時に判定された性別通りに現れなかったり、女性で生理が来なかったり、男性で胸がふくらんだりということが起こることもあります。

半陰陽の症状

第二次性徴の現れ方が違うという症状の他にも、半陰陽の場合に現れる症状は以下のようなものがあります。 ・膣がふさがっている ・陰茎(ペニス)なのか陰核(クリトリス)なのかが区別がつきにくい ・尿道下裂(にょうどうかれつ)※1 ・停留睾丸(ていりゅうこうがん)※2 ・子宮が機能しない ・極端に精子が少ない ただし一概には言えません。人によって、その性分化疾患の状態が違いますし、見た目には全く症状のない場合もあります。 ※1 尿道下裂…男性の尿道口が、陰茎の先端ではなく、下面や陰嚢部、会陰部などに開いているという先天的奇形。 ※2 停留睾丸…停留精巣ともいう。睾丸が陰嚢内部まで降りてきていない状態。

半陰陽が疑われた場合について

これまで、半陰陽という状態についてご説明しましたが、自分や我が子が「半陰陽かもしれない」という場合にはどうすればいいのでしょうか。 病院での半陰陽の診断は以下のような検査が行われます。 ・染色体の性 ・性腺の性 ・内性器、外性器の性 ・合併症の検査 ・遺伝子の検査 また、治療としては主に以下の3つの要素から構成されるようです。 ・外性器の形成術 ・第二次性徴器以降のホルモン補充療法 ・合併症の治療 当事者の性自認などを考慮して、このような治療が行われます。まずは、信頼できる医師に相談するのが一番です。 先天性の病気であり、非常にデリケートな問題でもありますので、小児科、内科、内分泌科、婦人科、泌尿器科などを受診し、場合によっては専門医に診てもらうことも考えられます。

半陰陽は恥ずかしがる身体ではありません

とても珍しい症例ではありますが、半陰陽は先天的な疾患です。 原因など未だ分からないことも多いですが、治療などの方法もあります。 診断を恐れて病院を受診しない人もいるようですが、合併症などがある場合もありますし、医師に相談するのが望ましいでしょう。 (監修:Doctors Me 医師)