最終予選4戦連発を記録しガッツポーズを見せるFW原口元気

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[11.15 W杯アジア最終予選 日本2-1サウジアラビア 埼玉]

「(原口)元気があれだけ走ってくれるので、もうオッサンの僕は後ろでサポートしていればいいだけというくらい。彼が僕を本当にサポートしてくれた」

 試合後の取材エリア。ロシアW杯アジア最終予選初出場となった30歳のDF長友佑都(インテル)が、左サイドでコンビを組んだFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)を絶賛した。

 前半から高い位置でプレスをかけつつ、自陣に戻ったときもボールを奪いに行き、カバーリングの意識も見せていた。試合終盤に1点を返されはしたが、最終ラインが危なげない守備をできた要因の一つに、原口の攻守にわたる献身的なプレーがあったのは間違いない。

「本当に運動量も豊富。あれだけ点も取れてテクニックもあって、すごい選手になっているなと感じる」。サウジアラビア戦に向けた強化試合のオマーン戦前には「僕や(本田)圭佑が代表に呼ばれ始めたころのように、ギラギラしたものを若い選手に出してほしい」と注文を出していた長友だが、この日の原口からは当時の自分に重なるものが見えたようだ。

 原口の献身性は、14年1月から6月まで浦和でともにプレーしたGK西川周作(浦和)にも「レッズのときより間違いなく成長している。彼の守備力で後ろはすごく助かっている」と響いている。

 西川が感じている原口の成長の要因は、所属チームでの激しい競争だ。西川によると、原口は代表合宿でしばしば「チームで試合には出ているけど、常に危機感を持っている」と話しているという。「元気は試合に出るだけではなく、プレーの質にこだわり続けている。あとは昔からすごかった負けず嫌いなところ。そういう気持ちの部分や、常に高い意識で試合や練習をやっているところが成長につながっているのだと思う」と分析した。

「守備の面はヘルタでもやっていることが出た。ドイツに行ってから守備力がすごく上がっている」と話す原口自身は、何度もボール奪取シーンをつくることができた理由として、オマーン戦がベンチスタートだったことを挙げた。

「あれで頭も身体もフレッシュになることができた。ヘルタでのパフォーマンスが(代表合流前の)ラスト2試合で良くなかったので、監督がそういうところも見てくれて休ませてくれたのも大きかった」。その言葉どおり、この日の原口のスプリント回数は目立って多かった。

 しかも、それだけ走り抜いた末の後半35分にゴールを奪ったことで、抜群のスタミナも示した。スピードとテクニック、負けん気と献身性、そして勝負強さ。原口は今、別次元に足を踏み入れようとしている。

(取材・文 矢内由美子)


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