後半19分から途中出場したMF香川真司

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[11.15 W杯アジア最終予選 日本2-1サウジアラビア 埼玉]

 覚悟はできていた。後半19分から途中出場した日本代表MF香川真司(ドルトムント)はベンチスタートについて「そこは想定内。切り替えてやった。チームが勝つことが何よりも第一」と、途中出場という現状を受け止め、チームの勝利だけを考えた。

 10月29日のシャルケ戦で右足首を打撲した影響で今月11日のオマーン戦(4-0)を欠場。この2週間、実戦から遠ざかっていた。「それ(ケガ)もあるし、この最終予選、自分は結果を出している立場ではない。絶対的なものはないというのは分かっていた」。10月6日のイラク戦(2-1)でも、先発の座を譲ったMF清武弘嗣が2得点を演出。同11日のオーストラリア戦(1-1)は香川が先発したが、守備に追われる展開で攻撃では持ち味を出せなかった。

 右足首痛の影響で欠場したとはいえ、オマーン戦でも清武が1ゴール2アシストと結果を残し、その流れのままこの日も背番号13がトップ下に君臨した。その清武は前半45分に自ら獲得したPKを決めて先制点。背番号10に出番がやってきたのは後半19分から。清武に代わってピッチに入った。

「守備から入ることが大前提。1-0だったので、隙を見てカウンターから決まればいいなと思っていたけど、守備から入ることを意識した」。後半35分にはDF長友佑都のクロスに走り込むと、わずかに合わなかったが、残り足に当たったボールがFW原口元気の前に流れ、追加点が生まれた。記録上はアシストとなったが、攻撃で見せ場はほとんどなく、香川自身、満足いくものではなかった。

 ハリルホジッチ監督は試合後の記者会見で香川について「この2、3週間、足首にケガを抱えたままプレーしていた。トレーニングも満足にできなかったが、痛みに耐えてくれた。それは把握していた。後半に入ることも予想していたし、彼がチームの勝利に貢献することも分かっていた」とねぎらい、「このスピリットを持ち続けてほしい。全員がプレーしたいと思うだろうが、まずはチームがどうあるべきかが大事」と、勝利に徹した10番を称えた。

 香川、FW本田圭佑らがベンチスタートとなり、先発起用された清武、原口らが結果を残した。「彼らがチャンスを生かして、結果を残した。自分たちも次、やらないといけないということがハッキリしたし、いい刺激をもらった」。危機感を強めながらも、チーム内の競争を歓迎する香川は、今の自分が何をしなければいけないかも分かっている。

「だれもがスタメンで出たい。これを機にドイツに帰って、巻き返して結果を出すだけ。そうポジティブに考えている」。次の代表戦は来年3月。それまでの間にドルトムントで定位置を奪い返し、コンディションを上げて日本代表に戻ってくる。日本の10番がやるべきことは至ってシンプルだ。

(取材・文 西山紘平)


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