11月19日(土)放送の「山田太一ドラマスペシャル 五年目のひとり」(テレビ朝日系)で渡辺謙は震災の傷と闘いながら生きる孤独な男を熱演する

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11月19日(土)夜9時から放送される「山田太一ドラマスペシャル 五年目のひとり」(テレビ朝日系)のプレミア試写会&舞台あいさつが都内で行われ、主演の渡辺謙、蒔田彩珠、西畑大吾、脚本家の山田太一氏が登壇した。

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本作は、東日本大震災から5年目の東京のとある街を舞台に、震災によって心に大きな傷を負った孤独な中年男・木崎秀次(渡辺)が中学生の少女・亜美(蒔田)と出会ったことで再生を遂げていく物語。

試写会後の舞台あいさつに登場した渡辺は、試写を終えた約400人の観客に「被災された方々の心に寄り添ったドラマにするべきと思わされた脚本でした。素晴らしいキャストの皆さんと繊細にワンシーン、ワンシーンを積み重ねて撮影しました」とあいさつ。

脚本を務めた山田氏は「謙さんには震災に遭われた方々の代表になってもらいたいと思っていましたが、謙さんの真面目さはすごいもので、脚本を本当によく読んで、考えて、一つ一つのシーンを演じてくださった。大変感謝しております」と感謝の言葉を送った。

今回、同郷の秀次を気に掛け働き先を紹介する花宮京子を演じる市原悦子とは初共演だという。渡辺は「市原さんは劇中で秀次のバックグラウンドをすべて説明してくれるのですが、木崎の今の状況をすごく切々と伝えてくれるんです。でも、あの独特の声のトーンで、撮影中は常に変化球が飛んでくるわけですよ(笑)。僕たちはその球を取りこぼさないように必死に受け取るのですが、それが楽しくて! 演じているというよりは、市原さんにもてあそばれているようなシーンの連続でした」と笑顔を見せる。

また、渡辺は初共演となる蒔田と西畑の印象を「二人ともピュアで真っすぐな球を投げてくるので、こちらも変に策を練ったりせず、彼らが感じていることをちゃんと受け止めてやりとりすることを心掛けました。彩珠ちゃんと神社で話すシーンはまるで青春映画のようで、新鮮でした! 西畑君と対峙(たいじ)するシーンは本当に長く、西畑君は普段が関西弁なので標準語に修正するのがキツかったと思いますね」と明かした。

そんな渡辺との共演を蒔田は「渡辺さんはすごく面白い方で、撮影の合間も笑わせてくれるんです。抹茶を飲むシーンでは、渡辺さんに『口の周りに抹茶の泡を付けるとヒゲみたいでかわいいからやって!』と言われて、バレないようにワザとやったのですが、残念ながらあまり写っていませんでした(笑)。カメラの前に立つと、優しい目からキリッとした秀次さんの目に変わるんです! その集中力のすごさは尊敬します」と目を輝かせた。

一方の西畑は「主演が謙さんだと伺った時は“世界のケン・ワタナベか!”と緊張しました。僕は杏さんとも共演させていただいたことがあるのですが、その時は杏さんがお母さん役だったので、僕からすれば謙さんは“おじいちゃん”とも言えなくもないのでしょうか…(笑)」と会場の笑いを誘う。

さらに、西畑は「謙さんのあふれ出る色気、フェロモン、フランクに接してくださるところ、身長も高いし、うらやましいところばかりです! 大人になったら謙さんのような人間になりたい!と思いました」と熱弁した。

また、渡辺は壇上で豪快に書を披露する場面も。“ことしを表す漢字”をオーダーされた渡辺は「驚」の一文字を記し、「私自身、1月に早期の胃がんが見つかって内視鏡手術を受けましたし、その後も妻・南果歩の乳がんも見つかったり、さまざまな天変地異もあって、本当に2016年はサプライズがたくさんありました。ことしは僕にとって、驚きの年でした」と振り返った。

最後に渡辺は「当事者にとっては震災から時間が止まったままであることもあらためて実感し、これまで継続して行ってきた宮城・気仙沼への応援についても、しっかり過去と今とをつないでいくことを考えなくてはいけないなと感じました。週末、このドラマを見た後に家族のことを思ってもらえたら。そんなふうに人生の1ページをめくるような素晴らしいドラマに参加させていただいたことをうれしく思います」と語った。