影響力を拡大し続けるロシアには朗報だ。東欧のブルガリアとモルドバ、それにアメリカで、ロシア支持を表明していた候補が相次いで大統領に当選を果たした。

 この日曜に行なわれた大統領選で勝利したブルガリアのルメン・ラデフとモルドバのイーゴリ・ドドンは、どちらも社会党が推した候補者で、ロシアとの関係改善を訴えていた。その前の水曜には、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を褒めちぎってきた共和党の大統領候補ドナルド・トランプが米大統領選を制し、世界を驚かせたばかりだ。

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 3人の次期大統領には共通点が多い。全員、親欧米の既存の政治エリートが自国を破滅に導いていると主張している。元空軍司令官のラデブは、EU一辺倒の与党の手には乗らないと言ってきた。欧州の最貧国モルドバの第一副首相を務めたことがあるドドンは、14年に国内の3つの金融機関からGDPの8分の1に相当する10億ドルが消失する事件がきっかけで激化した反政府運動を追い風にしてきた。トランプは大統領選を通して、事あるごとに民主党の大統領候補ヒラリー・クリントンの政治経験の長さを逆手にとり、腐敗している、変わり映えしないと攻撃した。

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そろって移民嫌い

 ラデブとトランプの2人は移民排斥、とりわけ難民の入国を厳しく制限する態度を示した点も類似する。ラデブはブルガリアが「移民のゲットー」になることを阻止すると有権者に訴えた。トランプはアメリカに入国する移民について、「トロイの木馬」に乗ったテロリストを招き入れるようなものだと言い、難民は安全保障上の脅威だと煽る主張を繰り返した。難民の存在がアメリカの「生活の質」を損ないかねないとも言った。一方のドドンは、先月行われた第一回投票に向けた選挙戦の最中、対立候補のマイア・サンドゥが当選すれば「難民による侵略」が現実になると警告するビラを配った。

 親ロシア派による勝利は、ロシア政府には願ってもないプレゼントだ。今年はロシアと西欧諸国の関係が一段と緊張した年。ロシアは14年にウクライナのクリミア半島を併合し、ウクライナ東部で親ロシア派に対する軍事支援を続けたことから、ヨーロッパ諸国の多くはこの地域でロシアの軍事プレゼンスが拡大することに懸念を強めてきた。ここ数カ月で、NATOとロシアは互いに冷戦以来となる大規模な軍事力の増強を進めている。

トム・オコナー