【疑問】クルマがハッキングされると何が起こる?

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最新のクルマならラジコンのように操作される可能性も

あらゆるコンピューターは外部と繋がると、その内部に侵入される可能性があります。例外はありません。もし侵入されないコンピューターを作ると、OSやドライバーなどを永久にアップデートできなくなってしまいます。

それはシステムとして考えると、拡張性や発展性がなく、しかも不具合の修正もできないという、閉ざされたものになってしまうのです。だから外から内部に侵入できるように設計する必要があり、そこが狙われてしまうわけです。

クルマのコンピューターをハッキングすることは、現状ではそれほど難しいことではありません。某チューニングブランドの燃料調整ユニットなど、ECUと繋がってセンサーからのデータを受け取りコマンドを送り返すシステムです。

昔は車内の電子制御ユニットはそれぞれ独立していましたが、現在はCAN-BUSによって一元化されています。各センサーの情報が流れていて、まさにハッキングしやすい環境になっているのです。自動運転車であれば、本当に何でもできるようになってしまいます。

そもそもクルマ自体もハッキングされやすいものになっています。スロットルやブレーキ、そしてステアリングまで電子制御です。つまり現状でも、まるでラジコンのように外からコントロールすることが不可能ではありません。

一応、各自動車メーカーの見解は「有線での侵入は可能でも、外部からの無線での侵入は絶対に不可能」と言っています。しかし、この「絶対」という言葉がクセモノで、リアルに言えば「絶対ないとは、絶対に言い切れない」のです。では有線で繋がれたトランスリミッターを使ったらどうなるんでしょうか?

自動運転のひとつの姿である「カルガモ走行」は、先頭の車両に自動追従し続けるシステムですが、そのベースにあるのは車車間通信(車両と車両が相互通信する)です。情報を共有しながら走ることで、安全に効率良く運行することができます。1人のドライバーが3台も4台ものクルマを一度に運ぶことができるようになります。完全な自動運転よりも、むしろ実用的かもしれません。こうしたシステムのためにも、外部との通信を排除することはできないのです。

将来的には「工事中」「緊急車両接近」などの信号を受けて、自動運転車は自動的に運行状態を変更することでしょう。パトカー接近のフェイク信号を発すれば、前方のクルマがスペースを空けてくれてモーゼのように通り抜けることができるかもしれません。

ともかく、セキュリティ対策は自動運転が進めば進むほど、重要になってくるのです。

(文:岡村神弥)