Adobe Systems(以下、アドビ)は、動画広告プラットフォームのTubeMogulを買収したことを発表した。

TubeMogulは、ブランド企業や代理店がデスクトップ、モバイル、ストリーミング視聴端末、およびTVにわたる動画広告のプランニングと購入を、単一のプラットフォームを通じて行うことのできるサービスを提供している。今回のTubeMogul買収により、同社のサービスがAdobe Marketing Cloudと統合され、TVとデジタルフォーマットを包括し、エンドツーエンドとなる独立した広告およびデータの管理ソリューションが実現する。

Forrester Researchが発表した「Q4 2015 Forrester Wave 動画広告デマンドサイド プラットフォーム レポート」(英語)によれば、TubeMogulは動画DSP(Demand-Side Platform)のリーダー企業であり、TubeMogulとAdobe Marketing Cloudの統合によって、恩恵を受ける共通の顧客が多く存在するという。その例として、Allstate、Johnson & Johnson、Kraft、Liberty Mutual、L’Oreal、NickelodeonおよびSouthwest Airlinesが挙げられている。今回の統合により、アドビはこれらの大手企業の複雑で分断化された作業が簡素化されると見込んでいる。

Adobe Media Managerによる検索広告、ディスプレイ広告、およびソーシャル広告のためのプランニングと配信のノウハウからなる基盤にTubeMogulが加わることにより、アドビの顧客はデスクトップ、モバイル、ストリーミング視聴端末、およびTVにわたる動画広告への投資から大きな効果を得られるとのこと。また、TubeMogulの動画広告プラットフォームがAdobe Marketing Cloudに統合されることにより、アドビのデータ管理プラットフォームAdobe Audience Managerからはファーストパーティデータへのアクセスが、Adobe Analyticsからは測定機能が顧客へと提供される。

アドビのデジタルマーケティング事業部門担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるブラッド レンチャー(Brad Rencher)氏は、「TVの番組、独立系映画、あるいはハリウッドの大作のいずれであれ、すべての機器にわたって動画視聴が爆発的に増加し、企業ブランドは消費者が関心を向ける先を追いかけています。TubeMogulの買収を通じてアドビは、お客様に動画広告のための『ワンストップショップ』を提供し、Adobe Marketing Cloudのユーザー企業にとっての戦略的価値をさらに高めます」とコメントしている。

なお、同社はTubeMogulの負債と手持ち現金を差し引き約5億4,000万ドルで買収する最終的契約を締結した。この契約の条件に基づき、アドビはTubeMogulの発行済み株式全部を1株あたり14ドルで取得する現金による公開買い付けを開始する。この買収による財務的影響は、アドビが先に発表した業績見通しには反映されておらず、買収が完了するものと想定して、アドビはTubeMogul買収が2017会計年度の非GAAP利益に影響を与えることはないと考えている。買収関連の費用見積もりと取得原価配分会計がまだ存在しないため、アドビは現時点では将来的なGAAP利益への影響を推定できないとしている。