『Kiss』(講談社)で連載中の人気マンガが原作のTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。


雇用主・津崎(星野源)と従業員・みくり(新垣結衣)という形の契約結婚。そしてそれを唯一見抜いた風見(大谷)の家で、みくりは家事代行サービスをしている。さらに、みくりは津崎に恋人になろうと提案。こう書き出してみるとこのドラマ、キャッチーなのになかなか人間関係が複雑だ。

5話あらすじ


契約結婚をしているのに、恋人として付き合うというよくわからない関係性を津崎に迫ったみくり。目的は、絶食系男子の心の壁を壊すこと。百合(石田ゆり子)を初め、周りからの疑いの眼への対策も兼ねている。さらには、みくり自身の心の寂しさを埋めるという個人的な目的も。

みくりはこういう所を自身で小賢しいと考えている。が、男から見たらただの小悪魔でしかない。とりあえずこの提案は保留になったものの、普通の男なら確実に落ちてしまう。童貞の妄想みたい女だ。

しかし、そこは津崎。35年間彼女がいないだけはある。自分が好かれてるとは考えない。みくりにとって、自分は都合の良い男として結論付けてしまう。さすがだ。

みくりは家事代行で風見と一緒にいる所を、百合に偶然見られてしまう。みくりは素直に仕事と認めるも、百合の津崎と風見への怒りは収まらない。みくりと津崎は「醸しましょう。新婚感。出しましょう。親密感」を合言葉に、恋人関係を偽装して百合を安心させる作戦に出る。

津崎の成長が著しい!


童貞をこじらせたせいで心の壁がとんでもなく分厚く高い津崎だが、今回はかなり頑張ったのではないだろうか。詮索される事を極端に嫌う癖に子供の頃の苦い思い出を自分から話すなど、少しずつみくりに心を開いていく。非常事態とはいえ、恋人関係を偽装しようと再提案したのも津崎だった。極めつけは最後のみくりとのハグのシーン。みくりに言われてもいないのに、頭を撫でるという男らしい行為にまで踏み出たのだ。

何かを一緒に成し遂げたパートナーと急接近するというのはよくあること。それが周りに秘密のミッションなのだから、津崎がみくりに心を許したのは当然の事だったのかもしれない。前話までのめんどくさい童貞男からしたら考えられない進歩だ。しかし、津崎の成長が一番感じられるのは、これらのシーンではない。

童貞は、急に調子に乗る


童貞とは急に調子に乗るもの。津崎も例外ではない。それは一緒にみくりと一緒に蕎麦を茹でるシーンでも顕著に現れている。

「(メガネが曇って)前が見えません」

津崎が蕎麦を湯切りする時に言ったセリフだ。もちろん一緒に料理をしていてこんなハプニングが起きたら女の子は楽しいに決まっている。現にみくりも楽しそうにしていた。

しかし、なんと津崎はこれをわざとやっていたのだ。みくりを楽しませようと天然ぶってわざとやったのだ。これは完全に調子に乗っている。幼少期からメガネをかけている津崎が、湯切りをしてメガネを曇らすなんてミスをするわけがない。「前が見えません」の言い方、湯気に顔を突っ込む小技、顔をキョロキョロと左右に振り困った様子を見せる間、完全に確信犯だ。映像を見直してみると、みくりが湯切りをするのを制して自分から行っている。この時からこの作戦を遂行する腹積もりだったに違いない。童貞35歳のとんでもない進歩。天然を装って楽しませようとするなんて、なんてかわいいのだろう。

今夜放送の第6話は、百合の計らいで新婚旅行に行くことに。同じベッドで寝る2人。転んで密着するというベタな少年エロ漫画に出てきそうなハプニングまで起こる。こんなチャンスで何も出来なかったら一生このままだぞ。頑張れ津崎。調子に乗り続けるんだ。
(沢野奈津夫)

参考→「絶好調ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』は原作でも星野源=津崎がヒロインだ