スパイ容疑をかけられた北朝鮮の漁師ナム (C)2016 KIM Ki-duk Film.
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 第17回東京フィルメックスのオープニングを飾るキム・ギドク監督作「The NET 網に囚われた男」の予告編を、映画.comが先行入手した。ボート事故に見舞われた北朝鮮の漁師に降りかかる理不尽な運命の一端を垣間見ることができる。

 本作は、韓国の鬼才キム監督が、自らのトレードマークである極端なバイオレンス描写を封印した野心作。朝鮮半島に横たわる悲劇を背景に、網がボートのエンジンにからまり韓国側に流されてしまった北朝鮮の漁師ナム・チョルの姿を通じて、常に弱者が犠牲を強いられ、切り捨てられる現代社会の闇と矛盾を浮き彫りにする。「ベルリンファイル」などで知られるリュ・スンボムがナムを演じるほか、「メビウス」のイ・ウヌ、キム監督作4度目の出演となるキム・ヨンミン、次世代スターとして注目を集めるイ・ウォングンらが脇を固める。

 このほど公開された予告編の前半では、韓国警察へ捕らえられたナムの姿に焦点を当てている。「スパイじゃない」と訴えるナムに対し、暴力も辞さない執拗な取調べが続き、やがて韓国への亡命を促される事態にまで発展。そして後半では、ナムが「北に帰してくれ!」と泣き叫んだり、韓国警察から逃亡を図るスリリングなシーンなどを映す一方で、「俺は今まで網で魚を捕りすぎたようです。今度は俺が網に掛かりました」というナムの意味深なセリフがピックアップされ、謎めいた展開を予感させる仕上がりになっている。

 「The NET 網に囚われた男」は、2017年1月7日から東京・新宿シネマカリテほか全国で順次公開。なお第17回東京フィルメックスは、11月19〜27日に東京・有楽町朝日ホールほかで開催。キム監督の来日も決定している。