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デンソーウェーブは11月14日、同日開催された人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」の成果報告会において、実際に筆を持ち、人工知能に変わって、解答用紙に答えを記述する解答代筆ロボットアーム「東ロボ手くん」を開発したことを明らかにした。

同社はこれまでも将棋の電王戦向けロボットアームなどを開発するなど、人工知能とロボットの融合を進めてきたが、自社の技術が「近い将来、人工知能のフィジカルロボットになりうる」という想いから、今回、代筆ロボットの開発に挑んだという。

実際に、将棋の電王手くんの場合、「人の巧みな技に対し、機械的アプローチで最適解を探る」という取り組みであったが、今回の場合、「人と同じ条件下(動作、ツール)で最適解を探る」と、挑戦する方向性が異なることを強調。機械的アプローチで良ければ、プリンタを設置するだけで良く、より人間に近い状況を目指したとする。

具体的には、同社の6軸ロボット「VSシリーズ」に1軸を加えたロボットアームを双腕とし、カメラを照明、産業用PCでシステムを構築。カメラで解答用紙を認識し、用紙上の「イ」や「ロ」といった選択肢から傾きを判断し、用紙をまっすぐに整え、それぞれの項目に対して、解答を行っていく、という仕組みを採用している。

実際の解答は、複数拠点のサーバから送られているデータを受け、文字をベクターフォント化して、ロボットの座標へ変換して記述する仕組みを採用した。ただし、書き順については、ロボットにとって最適な手順を選んでいる、とのことで、人間が書く順番にはなっていないという。

なお、今回のデンソーウェーブの取り組みについて、プロジェクトディレクタを務める国立情報学研究所の新井紀子 教授は、「2016年の目標の1つはロボットになりたい」というものであるとしたほか、「2011年にキックオフミーティングを開催した際から、ロボットの身体がなく、人工知能ではないのか、という質問も受けていた」とし、身体を作ってくれる企業の出現がプロジェクト開始当初からの思いであったとコメントしていた。

デンソーウェーブが開発した解答代筆ロボット「東ロボ手くん」 の筆記デモ

(小林行雄)