サウジアラビア戦を翌日に控え、記者会見に出席するバヒド・ハリルホジッチ監督

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 日本代表は14日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、15日のW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦に向けて最終調整した。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席した。

バヒド・ハリルホジッチ監督

「この試合に関しては、そんなに多くの考え方は必要ない。勝つためにすべてをやる。簡単な仕事でないのは分かっている。しかし、そのためにトレーニングを積んできた。ここ数年、サウジアラビアはフィジカル面、戦術面でかなり伸びてきている。個人のクオリティーも持っている。それを我々がコントロールしないといけない。しっかりハードワークして戦わないといけない。強い気持ち、集中力、無駄なファウルをしない。向こうはフットボールインテリジェンスを使ってファウルを誘ってくる。ここ数年、日本ができていないフットボールインテリジェンスを彼らは持っている。ディテールに関しては多くを語ってきたので、そこには入らないが、プレッシャーにも罠にも引っかからないようにしないといけない。このグループはしっかり集中している。難しい試合だということも認識している。勝つクオリティーを我々は持っている」

―オマーン戦からさまざまな取捨選択をしてきたと思うが、その手応えは?

「この合宿でかなりのトレーニングを積んできた。グラウンド外も含めてだ。サウジアラビアはグラウンド上の時間をたくさん持っている。その特権を我々も欲しいが、オマーン戦でたくさんの情報を得られた。戦術トレーニングの間にも得られた。先発11人にだれを使うか、かなり考えた。この試合は本当に重要で、プレッシャーもある。より良いチームを選ぼうと思っている。だれを選ぶかという質問をみなさんしたいと思うが、日本の長所は組織だ。組織プレーをベースにしている。個人で試合に勝つわけではない。ただ、経験、自信も必要になる。明日、チームを選んだ段階でみなさんに見せられたらと思う。11人でスタートして、あとから3人が入る。全員が最大限やってくれると思う。何人かはもっとパフォーマンスを上げてほしいが、現状できることをするに尽きる。メンタルも重要だ。私が強調したいのは『ここは我々の庭だ』『アグレッシブさを見せないといけない』ということだ」

―サウジアラビアの印象は?(海外メディアの質問)

「今は全世界どこでも相手をしっかり分析している。サウジアラビアの試合は10試合以上見た。だれが先発で出るか、だれが途中出場するかもすべて把握している。数日前はサウジアラビアの国内リーグのダービーも見た。そのクラブのほとんどの選手がA代表でプレーしている。サウジアラビアはフィジカルも戦術も伸びている。そして、常にオフェンス面でかなり良いタレントをそろえている。彼らに戦術を教え込み、フィジカルも上げていっている印象だ。それは現代フットボールが求めていることでもある。サウジアラビアというチームは3、4人がものすごい能力を持っている。彼らの攻撃的なプレーをしっかりコントロールしていかないといけない」

―右足首痛でオマーン戦を欠場した香川と、試合後に「リズムが足りない」と話していた本田の今の状態は? 2人と個人的に話はしたか?

「決断はいろいろとしないといけない。インフォメーションはダイレクトにやってきた。何人かの選手はプレー回数を増やしてほしいと何度も言ってきた。いつもプレーしていないと、彼らもロボットではないからトップパフォーマンスにならない。ケガもあって、トレーニングしながら治療してきた。ディスカッションもしてきた。チームは11人の先発だけで決まるわけではない。サウジアラビアの場合、毎試合、最後に勝つ。それは交代で入ってくる選手のおかげで、彼らが違いを生んでいる。我々には25人の選手がいて、先発はより良いチームを選ぶ。ただ、交代で入る選手もリザーブというわけではない。ジョーカー、戦術的なチョイスだ。より良い形で試合を終えるためのチョイスだ。ただ、トップパフォーマンスでない選手もいるし、何人かの選手はプレー回数を増やした状態で代表に来ることが大事。それは変わらない」

―「ここは庭」という話があったが、ここまでの4試合を見ると、ホームのほうが硬さがあるが?

「オマーン戦では何人かトライした。もっとトライしたかったが、我々が知りたいことをトライした。経験、自信。それはすぐに学べるわけではない。27歳、28歳、それ以上の年齢であっても、この年代で代表デビューする選手に自信や経験が足りないのはよく分かる。一つのチームを形成する際、この半年間はかなりの困難があった。80%が海外組で、彼らの多くが継続的に試合に出られていない。海外組が向こうでしっかりプレーしていれば、A代表のパフォーマンスも上がる。8人、9人の出ていない選手を入れ替えることもできるが、私はそれは不可能と言いたい。可能であれば、カッコ付きで『若い選手』と呼ぶが、彼らをプレーさせてみたいと思う。その若い選手がより自信を持って、カッコ付きの『経験ある選手』にプレッシャーをかけてほしい。そうすれば競争が生まれる。それは私次第ではなく、若い選手次第であり、国内組次第でもある。それを管理するのが難しい時期だった。今年最後の試合がやってくるが、選手には“W杯に行きたい”という強い気持ちが見える。何人かの選手にとっては今回が最後の最終予選になるだろう。成功でA代表を終えたいと思っているはずだ。明日は重要な試合、最終予選突破につながる試合。強い気持ちで勝利をつかみに行く必要がある。相手は簡単には与えてくれない。彼らも自信を持っている。オマーン戦とは別のテストがやってくる。成長するためのテスト。苦痛を伴いながら」

―明日は主導権を握った戦いをするのか、相手を分析してオーストラリア戦のようにリアリストに徹するのか?

「毎試合、特別な準備がある。一つの試合を準備するとき、どんな長所があるか知らないといけない。サポーターも含めて、フットボールを知っている人はプレスをかけてたくさん点を取りたいと思っているだろう。オーストラリア戦は特別な試合だった。我々のグループがどんな状態で、何人かの選手がどんな状態かは分かっていたから、慎重な戦術を選んだ。慎重といっても勝たないと意味がない。勝つための慎重さだ。勝つためにはいろんな戦略がある。今回のサウジアラビア戦は、違う戦略で臨もうと思っている。我々のホームだし、攻撃して得点を取りたい。しかし、罠に引っかかってはいけない。3、4人、カウンターアタックが速い選手がいる。オーガナイズを崩さず、サウジアラビアにカウンターをさせないことが大事になる。戦略を練るには何日間、何週間とかかるが、我々にはその時間がない。それでも正確に戦略を練っているつもりだ。それを教えることはできないが、ちょっと違う戦略で臨もうと思っている」

(取材・文 西山紘平)


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