かつてないほど、本田のスタメンが危うくなったのは確かだが……。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 それでも、本田圭佑はファーストチョイスだ。
 
 15日のサウジアラビア戦で、現実的に本田を外すことを考えてみたが、その結果、今回は外せないという結論に至った。
 
 ビルドアップの起点を作り、身体の強さでボールを収め、フィニッシュの意識も高い。さらに空中戦も強いので、セットプレーでも重要なタスクを果たす。このような万能タイプの選手は、日本代表には少ない。
 
 また、チーム内での積極的な発言、プロフェッショナルな姿勢といった根幹に関わる部分でも、本田をベンチに置けば、その影響力は薄くなる。極めて外しづらい選手だ。
 
 しかし、状況が少しずつ変わってきたのも事実。
 
 以前に比べるとビルドアップ時の存在感は薄まり、チームは清武弘嗣のパフォーマンスに引っ張られている。ゴール前のフィニッシュも、最近は決めることができず、原口元気や大迫勇也がスコアラーに台頭した。
 
 リーダーシップの面でも、長谷部誠だけでなく、吉田麻也に存在感がある。オマーン戦では清武がPKを決めた後、そのままスッとポジションへ戻ろうとした丸山祐市と酒井高徳を、吉田が呼び止め、ゴールの祝福に向かうように促した。些細なことだが、チームは少しずつ変化していることを実感した。
 
 本田でなければならない理由がひとつ、またひとつと減っていく。空中戦という武器がなければ、もっと早くベンチに置かれたかもしれない。かつてないほど、本田のスタメンが危うくなったのは確かだ。
 
 しかし、それでも本田はファーストチョイスだろう。そう考えるのは、第一に、サウジアラビア戦の状況で、本田の代わりに右サイドに入る選手が見当たらないからだ。
 
 今までのハリルジャパンは、個の力で突破したり、相手の隙を一発のロングパスで突いたりと、リスクをかけないバランス重視の攻撃がメインだった。しかし、今回のホームのサウジアラビア戦は、勝たなければならない試合。引き分けもダメだ。
 
 サイドに人数をかけ、美しいコンビネーションが発揮されたオマーン戦の2点目のゴールを、ハリルホジッチはどう評価したのか。酒井宏樹だけでなく、山口蛍もアグレッシブに飛び出し、トップ下の清武も「1トップの近くでプレーしろ」という指示に反し、サイドにたくさん顔を出した。
 勝点3を絶対とするなら、オマーン戦の2点目のように、人数をかけ、リスクを負って仕掛けるチャレンジが必要だ。
 
 もし、あのゴールをハリルホジッチが好評価したとすれば、清武とコンビネーションが良い本田は外しづらい。浅野拓磨が右サイドハーフに入る形では、一発で飛び出すだけで、同じようなコンビネーションが期待できない。ほとんど試せていない久保裕也も、リスクが大きすぎる。唯一、小林悠ならばセットプレーの対応を含めて、スムーズに本田と入れ替わった可能性が高いが、今回は負傷で招集されていない。
 
 起用できる日本の選手、そしてサウジアラビア戦の状況を踏まえると、ハリルホジッチは本田をチョイスするのではないか。
 
 しかし、仮に今回の本田外しがあるとすれば、そのトリガーを引くのは、香川真司か、岡崎慎司だろう。すでに清武と大迫にポジションを奪われた感のあるふたりだが、本田に代わる可能性は残されている。
 
 たとえば、6月に行われたブルガリア戦(7-2)と同じく、香川と清武を共存させる。清武を右サイドに入れ、香川をトップ下へ。反対の左サイドは、飛び出してシュートに絡める原口を起用する。本田の高さを失い、リスクを負うが、流動性とコンビネーションは、この形が最もクオリティが高い。