トランプ政権は、女性にとって苦難の4年間となる

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選挙活動中の最もひどいトランプの発言は、「国民は女性のことなど気にしていない。皆の関心は私の方にある」。

トランプの選挙活動中に時折見られた支援者の着る青いTシャツには、「OJの結婚相手はヒラリーだったらよかった」と白いグーフィーフォントで大きく書かれていた。自分が立候補せず、(O・J・シンプソンの元妻のように)クリントンが首を4回も刺され、鈍器で殴られ、斬首刑のように喉を深く切り裂かれたらいい、などと願うのは卑怯なやり方である。

まったく理解不能である。

この手のたちの悪いジョークは、大統領選挙日までの17カ月間続いた。それらは主に、当選した共和党議員たちや党幹部たちの口から直接発せられたものだ。「ヒラリー・クリントンは撃ち殺されたほうがいい」「彼女を絞首刑にしろ」「彼女の首を切り落とせ」「彼女は派手な交通事故で死んだほうがいい」「彼女が雑誌の表紙になるなら、銃の照準をその上に合わせろ」等々、あきれた言葉が並んだ。

次期大統領を含む共和党員は大統領選挙活動中に、民主党候補だったヒラリー・クリントンの死を望む発言を、さまざまな形で公にしていた。

大統領選への二度目の挑戦となるクリントンは、その手の攻撃には慣れてきていた。クリントンの支援者であるコメディアンのルイ・C・Kは、大統領選の1週間前に司会者でコメディアンのコナン・オブライエンにこう語っている。「ヒラリー・クリントンは暴言に屈しない。耐えて、耐えて、耐え抜いてきた。彼女はいじめられ、押さえつけられてきた。悪口を言われ、大声をあげられても、彼女は“子どもたちが適切な健康管理と教育を受けられるかどうかだけを考えているわ”と毅然としている。彼女は国のために働き続けている!」とルイは感銘を受けていた。

ドナルド・トランプの怒りっぽい性格は大統領に向いていないし、今回の大統領選挙は女性に対する暴力に対してアメリカ国民がどれほど寛容かを量る投票となった。しかし、トランプがクリントンにぶつけた自信満々の主張は、受け入れがたいことではあるが、選挙戦でうまく機能した。

我々はこれまで、政治家の発言は重要だと信じてきた。しかし2016年の大統領選でドナルド・トランプは、その考えは間違っていると証明した。彼がどんな発言をしても得票数には影響しなかった。5番街を闊歩し、誰かを銃で撃ったとしても票を失うことはなかったのである。

唯一、トランプの票数に影響したのが2005年の彼の発言だった。米TV番組『アクセス・ハリウッド』収録中に録音されたトランプによるひどい女性蔑視の発言に対しては、共和党内からの反応は早かった。「夫として、父親として、トランプの酷い発言はとうてい受け入れがたい」との反発を受けた。さらにトランプの支援を一時的に取りやめる者も出てきた。

共和党員たちは、トランプの発言が共和党の安定票である郊外の白人女性票をも崩しかねないと懸念した。彼女たちはおそらく、“女性の上に立つ擁護者としての男性”という力関係が崩れることを歓迎しただろう。

この過去の発言テープ発覚後のクリントンとの直接討論でトランプは、「皆さん、あれはただ口が滑っただけです」と軽く流した。しかしその後数週間に渡り、多くの女性たちからの猛抗議が続いた。

「彼はまるでタコの足のように私の体を触りまくった。あれはもうレイプと同じだった」と、トランプにわいせつ行為を受けたと訴えるジェシカ・リーズは証言した。

「振り返った瞬間、彼は私を壁に押しつけ、私の口に舌を押し込んできた」と、ナターシャ・ストイノフは訴えた。

クリスティン・アンダーソンはナイトクラブで、初対面のトランプにスカートの中に手を入れられ、性器を触られたという。