4月に集団脱北した北朝鮮レストランの女性従業員たち

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韓国統一省は13日、国内に入った脱北者が計3万人を超えたと明らかにした。聯合ニュースが伝えた。今月11日、脱北者7人が第三国経由で韓国入りしたことで、累計で3万5人に達したという。

「虐待施設」を拡張

朝鮮戦争(1950年〜53年)後、脱北者は1962年6月に初めて韓国入り。2006年2月に1万人、2010年11月に2万人を超えた。

年間では2009年に最高の2914人を記録。しかし金正恩政権になって以降、減少傾向が顕著で、2012年に1502人、2013年に1514人、2014年に1397人、昨年は1276人となっている。北朝鮮当局による脱北の厳罰化が効いている模様だ。

北朝鮮当局はとくに、脱北を試みた女性を虐待する施設を拡大するなど、女性の脱北に対して厳しい態度で臨んでいる。2002年から、脱北者に占める女性の比率が男性を上回っているからだ。今年10月末時点では全体の71%が女性となっており、今年だけを見ると脱北者の80%以上が女性だった。

美女たちを指名手配

国営企業などの職場で統制を受ける男性に比べ、市場で商う女性らは行動の自由度が比較的高く、脱北に向けて行動を起こしやすい。

だが、理由はそれだけではないだろう。男性本位の北朝鮮社会で、女性らは著しい不利益を被っている。中でも、権力者たちはやりたい放題だ。

(参考記事:北朝鮮「秘密パーティーのコンパニオン」に動員される女学生たちの涙

いくら取締りを厳しくしようとも、脱出を目指す女性は増えこそすれ、減ることはないのではないか。

一方、今年1〜10月の脱北者数は1155人で、前年の同じ期間と比べ約18%増えた。金正恩政権になり、初めて増加に転じた。海外に派遣されたエリート層や、外貨稼ぎを担う労働者の脱北が急増していることが背景にある。

ここでも、北朝鮮当局は女性脱北者の帰国を執拗に求めている。4月に集団脱北した北朝鮮レストランの美人ウェイトレスら12人について、いまだに「韓国による拉致説」を主張しているのだ。

ただ、彼女たちの中の1人でも、北朝鮮に帰国して「拉致説」に同調する証言をすれば、北朝鮮は韓国世論を惑わす心理戦において、それなりの成果を上げることができる。

金正恩党委員長は今後もあきらめることなく、韓国に潜伏する工作員や韓国人シンパを使い、彼女らに対する様々な工作を続けるものと考えられる。