日本で働くことについて留学生たちの本音を聞いてみた(pixta)

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 今日、日本への外国人留学生の数は増加し続けている。一方、日本で就職を希望する留学生8割のうち、実際に就職できたのは3割未満にすぎない。彼らの中には、就職して数カ月でやめてしまうことも少なくない。日本にいる留学生の60%を占めるのは中国人。彼らを取材し、就活にまつわる本音を聞いた。

 もう残された時間は多くない

 すでに再就職した史さん(27歳)は、中国で四年制大学を卒業した後、来日。当時、日本語検定4級を取得していたが、語学学校に1年間通い、その後国立大学の修士課程に進んだ。しかし、日本の修士課程は2年間しかないため、一年生の秋から就活をしなければならなかった。彼女は日本の「就活」というシステムをまるで理解していなかった。

 「あのときは日本での生活に慣れるだけで精一杯だった」と史さんは当時を振り返る。「心のなかではいつも、もう時間がないと焦っていました」

 多くの留学生は、史さんと同じ境遇におり、特に本国で大学を卒業してから来日した留学生は、苦戦を強いられている。言語の習得と修士論文の作成や答弁に追われるなか、就活もこなさなければならない。

あの頃はなにも知らなかった

 「あの頃はなにも知らなかった」と語るのは留学生の陳さん。就活の経験を聞かれると、動揺を隠せなかった。

 中国での就活は、通常大学四年生から始まる。生徒たちは学校を休み、インターン採用試験を受ける。うまく行けば、そのまま内定をもらう。一方、日本では大学三年生の秋、あるいは修士一年生の秋からすでに就活が始まってしまう。説明会に参加し、ビジネススーツを着て面接に行かなければならない。

 来日したばかりの陳さんには、就活という概念がなかった。周りの修士課程の学生を見回すと、日本人より留学生の方が多かったため、就活という雰囲気でもなかった。就活を始めた修士二年生の夏にはすでに大企業の募集が終わってしまい、地方の中小企業に就職せざるを得なかった。

 陳さんは中小企業で営業の仕事についたものの、今まで学んだことを仕事に生かせず、また営業職は自分に向いていないと感じ辞職した。

 もっと若ければいいのだが

 

 面接官に「もっと若ければいいのだがなあ」と言われ、ひどく傷ついたと話すのは早稲田大学卒の高さん(29歳)。彼女は語学学校で日本語を学び、早稲田大学の修士課程に進学したが、同級生よりも2歳年上になってしまった。そのため就活では不利な戦いを強いられ、面接官の言葉に傷ついたという。

 同じく早稲田大学卒の李さんは取材に対し、日本企業の多くが「堅すぎる」と指摘する。「小学校から大学までの間に他人と違うコースをたどったり、一旦就職してから大学に入り直し、再び就職したりする人は、どうしても就活で不利になる恐れがある。そういう人は人生設計をしっかりしなかった人だと面接官に思われ、なぜ辞職したのかとしつこく聞かれることもある。欧米諸国では、転職したり業界を替えたりするのはよくあることなのに」

 学んだことを生かしたい

 皮さん(35歳)は日本の有名国立大学で修士課程を修了し、日本有数の大企業に就職した。周りの友人たちはうらやましく思ったが、皮さんは1年半でやめてしまった。現在は、上海の会社で働いている。

 「会社を辞めてしまったことを後悔する時もあるが、もし時間を巻き戻せたとしても、結局はやめると思う」と皮さんは言う。「過酷な残業は我慢することもできたが、仕事に自主性がないことが最大の問題だった。英語の検定試験や業務審査では常に優秀な成績を残し、業務報告にも上司は大満足だったが、いつも庶務やデータの入力といった簡単な業務しか任せてもらえない。雑務からも色々学べるのだといつも自分に言い聞かせていたが、高卒の社員と同じような仕事をするのが我慢できなかった。大学院まで行って多くのことを学んだのに、全く生かせなかった」

 データから見る日本人学生と留学生の違い

 最近実施されたアンケート調査では、同じ企業で働き続けたいと答えた日本人学生は5割近くいたが、留学生は3割に満たなかった。留学生の半数近くは、昇進の機会があれば転職しても構わないと答え、独立して会社を作りたいと答えた留学生は16.6%に上った。これに対し、独立したいと考えた日本人学生は6.3%しかいなかった。

 また、会社の取締役やCEOになりたいと答えた留学生は20%だったが、日本人学生は11%にとどまった。出世はしたくはないと答えた日本人学生は8.8%で、これは留学生の2倍だった。

 留学生は、日本人学生と比べてより「ハングリー」だと言えるかもしれない。やる気のある留学生たちの才能と意欲を発揮させることができるような環境づくりが、日本企業のこれからの課題となるだろう。

(翻訳編集・文亮)