サウジアラビア戦を4日後に控えていることを考えれば、4対0の勝利は悪くない。そのうえで、あくまでもスパーリングだということを忘れてはならないだろう。

 11月11日に行なわれたオマーン戦で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はテスト的要素を含むメンバーを組んだ。センターバックに丸山祐市を起用し、ダブルボランチの一角には永木亮太が入った。丸山は初スタメンで、永木はAマッチデビューである。

 2列目の左サイドに指名された齋藤学は、ザッケローニ指揮下以来の通算6試合目の出場だった。1トップの大迫も昨年6月以来のAマッチである。

 後半途中からは久保裕也と小林祐希も起用された。ザッケローニに招集されたことがある久保も、フル代表のピッチに立つのは初めてである。小林は6月のキリンカップ以来の出場で、通算2試合目だ。

 違った意味のテストもあった。所属クラブで出場機会の少ない海外組を、サウジ戦に備えて磨いておくのである。

 チームの中心選手を何人か使うことで、新戦力のテストに実効性を持たせる意味もあっただろう。ただ、吉田麻也、清武弘嗣、本田圭佑のスタメン起用は、このタイミングでピッチに立たせておきたいという指揮官の意図が含まれていたはずだ。

 模範解答を見せたのは大迫だ。32分にヘディングシュートを、42分には鮮やかな反転から右足シュートを決め、試合の流れを日本に引き寄せた。

 オマーンは2次予選で敗退しており、新たなチーム作りへ動き出したばかりだ。リオ五輪世代も多く、サブには10代の選手も2人いた。結果を残さなければいけない相手に、はっきりと力の差を見せつけたのは評価されていい。

 清武も違いを示した。大迫の2ゴールは彼のアシストで、1点目はピンポイントのクロスを、2点目は申し分のないスルーパスを通した。セビージャでの出場機会は限られているが、サウジ戦でも信頼を寄せられるパフォーマンスだった。

 清武に比べると、本田は平均的と言わざるを得ない。

 チームがコンビネーションを発揮した場面では、彼も連動していた。シュートシーンにも顔を出している。ただ、トップフォームではない。力強さと迫力に欠ける。

 サウジ戦は絶対に落とせない。過去4試合よりもさらに、重圧を感じる一戦だ。経験が強みとなる。その意味で、本田は信頼できるひとりだ。

 しかし、クラブでも代表でも好調の原口元気はもちろん、オマーン戦では齋藤学がアグレッシブさをアピールした。浅野拓磨もいる。オマーン戦の後半にテストした2トップなら、本田抜きでも複数の組み合わせが構成できる。いつもの4−2−3−1でも、無理は生じない。

 もうひとつ気になるのはサイドバックだ。10月のオーストラリア戦では、槙野智章が左サイドバックで好印象を残した。ハリルホジッチ監督の指示で守備に軸足を置き、サイドの攻防で優位に立った。サウジ戦でも彼の起用を探りたい。長友の起用に目途が立てば、右に長友、左に槙野でもいいだろう。

 サウジはすでに来日しており、オマーン戦は敵将ファンマルバイクも観戦したに違いない。ここから先は神経戦だ。勝点3をつかむためにも、プランBを用意しておく必要がある。奇策ではなく必勝態勢として、である。