監督のオーダーに応えて質の高いプレーを披露した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 齋藤学にとっては、大きな一歩目になったようだ。

 ハリルホジッチ体制下での初出場となった11日のオマーン戦、今季のJ1リーグで好調を維持する横浜のアタッカーは、原口元気と交代する74分まで左MFでプレーした。「チーム戦術と自分のプレーをしっかり考えながら」適切なポジショニングを取り、サイド攻撃を活性化。精力的なフリーランニングとドリブル突破を織り交ぜて、オマーン守備陣を揺さぶった。
 
 左MFは所属クラブの横浜と同じポジションだ。ただ、本人も言うように「役割が違う」。タッチライン際でボールを受け、そこからドリブルで仕掛けるのが横浜でのプレーだが、代表では左サイドに張るのではなく、時には中央寄りにポジションを取ってほしい、とリクエストを受けていたという。
 
「ここは横浜じゃないから、ずっと張っているだけじゃないぞ、ってことは監督からしつこく言われていました。だから(酒井)高徳と話しながら、開く時は開いても良いし、中に入る時は中に入った」
 
 フリーランニングでラインブレイクを狙うシーンが多かったのも監督からの指示だ。
 
「裏を狙うのも結構言われていたので意識していました。オマーンのラインもちゃんと列になってなかったし、何度も裏へ走れましたね。言ってしまえば、ドリブルしなくても、ランで裏に抜けてしまえば何もしないでシュートまで行ける。そこの精度を高めていくのもひとつかなと思います」
 
 初出場ともなれば、自分の得意分野をアピールしたくなりそうなものだが、そこをグッとこらえてチームオーダーをしっかりとこなす。しかも、そのプレーの質が高かったのだから、ハリルホジッチ監督の目にもポジティブに映ったことだろう。
 
 もちろん、本人としては満足していない部分もある。ゴールに絡めなかったこともそうだし、ディテールについても詰めるべき部分は多いと感じているようだ。
 
「いらないところでファウルしたり、球際や最後の決めきる部分は課題として残る。(本田)圭佑くんから裏に良いボールが来ても滑って届かなかったりとか、ちょっともったいない部分もあった」
 
 そう振り返り、さらに続けた。
 
「俺としてはこのピッチで何を示すかが大事なので、とにかくがむしゃらにやりました。まあ結果を残したかったけど、次だと思います」
 
 齋藤が言う「次」とは、15日に行なれわるワールドカップ予選のサウジアラビア戦。グループ首位相手の重要な試合で結果を残せば、齋藤自身にとっても代表での道が大きく開けてくる。この大一番でいきなり先発に抜擢されるのは考えにくいが、ジョーカーとして起用される可能性は十分あるだろう。
 
 ハリルホジッチ体制下での一歩目を良い形で踏み出した齋藤が、どんな二歩目を刻むのか。サウジアラビア戦は要注目だ。