いま、ワタクシはパソコンの前でこの原稿を一字一句進めています。キーボードのキーを打つたびに画面上には文字が綴られ、逆に「delete」キーを押すごとに文字は消えていく。さらにコピー&ペーストも使えば、好きな位置に文章を瞬間移動させられます。非常に便利ですが、この操作の裏側、つまり仕組みについて考えたことはありません。

思うに、クルマについても同じことが言えるのではないでしょうか?

多くの人にとってクルマとは、アクセルを踏めば前進、ブレーキを踏めば減速、そしてハンドルを傾けた方に移動するモノであり、エンジンが生みだしたパワーがトランスミッションやドライブシャフトを介してタイヤに伝わったことで動き出すという仕組みについては二の次のはず。

だからこそ、ひょっとしたら知らない方もいるかもしれません。日産が販売するコンパクトカー「ノート」に加わった「ノートe-POWER」が、エコカーとして人気の “ハイブリッド”とはひと味違う仕組みで動いているということを。

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そもそも、現在人気のハイブリッドカーのほとんどは、あくまでエンジンが主役でモーターは脇役。ガソリン消費量を抑えるためにエンジンを小型化する一方で、発進時などエンジンが心許ない場面でモーターがアシストすることで、動力性能と燃費性能を両立させています。

「ノートe-POWER」もエンジン(79ps/10.5kgm)とモーター(109ps/25.9kgm)の両方を搭載する点は共通。ですが、エンジンは駆動用モーターを動かすために必要な電力を賄う発電機であり、モーターがタイヤを動かしている点が決定的に異なります。その結果、加速の滑らかさや走行時の静粛性などは向上し、電気自動車(EV)に近い感覚に仕上がっています。

すでに日産は「リーフ」と「e-NV200」など電気自動車を次世代エコカーとして普及させようとしていますが、当初から充電インフラと航続距離がネックとなることを予想しており、その解決策のひとつとしてこの「e-POWER」の開発は行なわれたと言います。

実際、「ノートe-POWER」は、充電の必要は無く、ガソリンを給油するだけとお手軽。電気自動車の魅力はそのままに弱点を克服していることから、慣れ親しまれている“ハイブリッド”というバッジではなく、一歩先を行くエコカーというニュアンスを込めて「e-POWER」と冠したと思われます。

ハイブリッドや電気自動車さらには燃料電池車など、新たなパワートレーンが登場するたびに指摘されるのが居住空間や荷室など実用性の低下でしょう。

「ノートe-POWER」の場合、ガソリンエンジン車とほぼ同じボディサイズ(全長:4100mm×全幅:1695mm×全高:1520mm)にエンジン/モーター/バッテリーを収めるために、プラットフォームの構造がガソリンエンジン車と異なる専用品を採用し、ガソリンエンジン車と同等の空間を確保しています。その上で、インテリアには電気自動車「リーフ」と共通のギヤセレクターを採用し、先進性を強調。

「ノートe-POWER」は、使えば使うほど後戻りできない先進性が随所に宿った一台に仕上がっています。

(今 総一郎)

【関連リンク】

より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

ノート「e-POWER」がハイブリッドと名乗らなかったワケは?(http://clicccar.com/2016/11/13/416436/)