「トランプ 暗殺」がツイッターにあふれ…米国の日本人ライターが見た大混乱

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 まさかまさかのドナルド・トランプ(70歳)の当選!「嫌われ者対決」と揶揄(やゆ)された今回のアメリカ大統領選挙、終わってみれば驚きの結果に。

 ヒラリー・クリントン支持者には女性ミュージシャンが多く、差別的発言を繰り返すトランプに対するアレルギー反応やヒラリーに賭ける思いを率先して表現してきました。それだけに今まさにショック状態。

 ケイティ・ペリー(32歳)は、ヌード姿を披露する動画で話題になりましたが、選挙後はツイッターのプロフィール画像を真っ黒に塗りつぶし、「嫌われ者に国を任せていられない」と投稿。

 マドンナ(58歳)も、ケイティのヌード動画に便乗しトップレス姿をアップした上、「ヒラリーに投票してくれたら私がクチでしてあげる」というキワドイ発言まで。選挙後は「新しい火が灯された。私たちは諦めたり、譲歩したりはしない」と、憤りを露わに。

 レディ・ガガ(30歳)はトランプの当選が確定した深夜、トランプ・タワーの前で「愛は嫌悪に勝る」というプラカードを持った写真をSNSにアップ。

◆会社を休む人続出、ショック状態の反トランプ派

 果たしてアメリカは、一夜にしてトランプ派とヒラリー派がFワードで罵り合い、ツイッターのトレンドに「トランプ」「暗殺」の二つの単語が並ぶ物騒な国になってしまいました。

 ヒラリー支持者たちの落ち込みは半端なく、筆者の友人や同僚の中にはトランプ当選による精神的打撃から投票翌日に休みを取る人も少なくありませんでした。2日後の木曜になっても「最悪だ、最悪…」と頭を抱える人たちが多いのが現状です。

 かくいう私も日本人移民(マイノリティ)として、絶対にヒラリーが良かったのですけれども、グリーンカード保持者って選挙権ないんですよ。投票はできませんでしたが、選挙速報はかぶりつきで見ました。

 また「差別主義者の大統領なんてありえない!」と憤慨していた、黒人のボーイフレンドを持つ女子大生(白人)の友人は、選挙翌日からフェイスブックでトランプをディスる記事や写真などを無言のままシェア。

 CNNの選挙特番でコメンテイターを務めた黒人の環境活動家ヴァン・ジョーンズの「(トランプ当選)を子供にどう説明したらいいんだ」という発言や、トランプの娘イヴァンカに向け「恋人だけに許している身体の一部を、ボスに触られないようご用心」と皮肉る動画を共有し、“ネット抗議デモ”を繰り広げています。

 生活保護を受けているシングルマザーの同僚は、「将来が不安でたまらない。トランプはきっと私たちから生活保護も医療保険(オバマケア)も奪っていく」と今の心情を教えてくれました。

 カナダへ居住すると表明していたセレブもたくさんいるようですが、実際にそんなことが出来るのはお金に余裕のある一部の人だけ。私達、一般的なアンチトランプ派の市民には、せいぜいSNSでボヤくか、心の中で喪に服すか、抗議デモに参加しながらアクセク働くしか生きる道はないのです。

 選んだのは他ならぬ、このアメリカの人たちなのだという苦い現実をかみしめながら……。

<TEXT/橘 エコ PHOTO/Michael Vadon(flickr)>
【橘エコ】
アメリカ在住のアラフォー・ブロガー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ハリウッド最新映画レビューやゴシップ情報などのほか、アメリカ女子を定点観測してはその実情をブログで発信中。WEBマガジン「milkik」では「アメかじシネマ」「愉快なアメリカ女子」を連載中(http://milkik.com/)