まるでリアル『オデッセイ』? 革新的なシリーズがスタート!
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 黄金期を迎えて久しいアメリカのテレビドラマ界を象徴するような、革新的で野心的な新シリーズ「マーズ 火星移住計画」がナショナルジオグラフィックチャンネルで始まる。優れたドキュメンタリー番組を数多く製作してきたナショナルジオグラフィックと、アカデミー賞監督でハリウッドを代表するプロデューサーでもあるロン・ハワードが組んだ本作は、近未来に起こりうる、火星への移住をテーマにした1時間6話からなるシリーズだ。

 シリーズは、2033年を舞台に火星へと向かう6人の宇宙飛行士たちを描くドラマ部分と、2016年の現在、実際に火星移住に向けて何が起きているかを宇宙企業のスペースXやNASA、多くの有識者や科学者に取材したドキュメンタリー部分とを合わせたユニークな構成になっている。ハワードと共にプロデュースを手がけるジャスティン・ウィルクスは、「この番組はサイエンス・フィクションじゃない」と明言する。「この作品が描くのは、サイエンス・ファクト(科学的な事実)だ。皆さんが目にするのは、未来のミッションで現実に起こりうる出来事なんだ」。

 マット・デイモン主演で大ヒットした『オデッセイ』の原作者アンディ・ウィアーも、番組コンサルタントの一人として参加している。ウィアーは火星をリアルに描くため、フィルムメイカーたちと多くの議論を重ねた。「火星は地球とはかなり違う。空の色も音の伝わり方も違うし、大気や重力も。実際にそこに住んででもいなければ、そういった事実を理解するのに少し時間がかかるものだけど、番組のチームは、事実を正確に描くことにとても気を遣っていた」。

 そう語るウィアーは、なぜ人類が火星移住に挑む必要があるかについて、興味深い意見を示す。「今、火星に人を送るのは、(今後もっと)火星に人を送る方法を学ぶためだよ。現在、ISS(国際宇宙ステーション)にいる人々を除けば、全ての人間は地球にいる。もし、地球に隕石が落ちてほとんどの生き物が死滅したり、巨大な火山が噴火して1万人だけが生き残ったり、核で自分たちを滅ぼすことになっても、自給自足できるもう一つの惑星があったら、私たちが絶滅する可能性はほとんどゼロ。地球の問題を解決するよりも、火星に行くほうが簡単なんだよ」。

 スケール感のある火星の映像や手に汗握るドラマ展開だけでなく、宇宙や宇宙開発の事実について、視聴者が多くのことを学ぶことができる「マーズ」。宇宙飛行士の一人で医師を演じるクレマンティーヌ・ポワダッツは、「子供達が火星移住を夢見て、それが現実として起こりうることを知ることができる面も、とても重要だわ。もし私たちが火星に行くことができるとわかれば、そこには無限の可能性をがあると知ることができるもの」と付け加えた。(取材・文:細谷佳史)

「マーズ 火星移住計画」はナショナルジオグラフィックチャンネルにて11月15日よりスタート 毎週火曜よる9時〜ほか