飲みすぎに男女の区別なし

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女性のアルコール消費量は年々増加し続けており、もはや男性の消費量に匹敵するところまで近づいているとする研究結果が、豪州国立薬物・アルコール研究センターとニュー・サウス・ウェールズ大学の研究者らによって発表された。

過去におこなわれた研究では、アルコール消費量やアルコールに由来する疾患などのリスクは男性が女性の約12倍としたものもあり、男性が圧倒的に飲みすぎており、アルコール由来の疾患リスクも高いとされてきた。

しかし、昨今発表されるアルコール関連の研究では必ずしも男女差が表れておらず、古い統計調査と現在の状況にギャップがあると考えた研究者らは、最新の状況を反映した分析に取り組んだ。

研究では、1980〜2014年までに世界各国で発表された、アルコール消費量や疾患リスクを分析した68件の論文を分析。1891〜2001年の間に生まれた約400万人分のデータを解析している。

データはアルコール消費の動機、「任意の飲酒(個人の嗜好)」か、「問題に由来する飲酒(何らかの問題などから逃避するための飲酒)」か、で分類された。

解析の結果、得られたデータで男女のアルコール消費量に最も差があったのは、1891〜1910年生まれ(現状ほとんど生存者がいない世代)で、「任意の飲酒」は男性が女性の2.2倍、「問題に由来する飲酒」が3倍、アルコール由来の疾患リスクが3.6倍と、すべて男性が女性を上回っていた。

この年代以降男女差は徐々に縮まっていき、今回のデータ上、最も新しい世代となる1991〜2000年生まれ(25歳以下)になると、「任意の飲酒」は男性が女性の1.1倍、「問題に由来する飲酒」も1.2倍、疾患リスク1.3倍と、ほとんど性差がない状態となっている。

この結果を受け、研究者らはアルコールの問題はもはや男性だけの問題ではないとし、「これから飲酒する女性世代が次々と中高年になり、より一層問題が顕在化する可能性もある。女性に対しても飲酒の危険性を啓蒙する必要があるだろう」とコメントしている。

参考論文
Birth cohort trends in the global epidemiology of alcohol use and alcohol-related harms in men and women: systematic review and metaregression.
DOI: 10.1136/bmjopen-2016-011827 PMID:27797998

(Aging Style)