しなやかに街を走る「ランドローバーの現在形」[クルマの名鑑 vol.3]

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ランドローバーほど、英国王室に愛される自動車メーカーはない。

エリザベス女王自らがステアリングホイールを握って、スコットランド・バルモラル城周辺をレンジローバーで走り抜ける姿が報じられたのはあまりにも有名だ。女王陛下だけではない。エジンバラ公、皇太子らの英国王室すべてから支持されている。
 
実際、スコットランドの荒れた野山を自在に駆け抜けるのに、これほど優れたクルマはないだろう。いまでこそ、SUVが持て囃される時代だが、レンジローバーは1970年に登場した最初の一台から、どんな悪路でも快適に走りきれる悪路走破性を備えていた。

英国特殊空挺部隊に採用されるほどの本格的な性能を備えつつも、ロイヤルワラントの指定に応えるラグジュアリーさも兼ね備えているのが、レンジローバーの伝統であり、ユニークなところでもある。
 
伝統に彩られたレンジローバーだが、今世紀に入ってまもなく、新たにスポーツツアラーの「レンジローバー・スポーツ」が加わった。オフロード性能に特化したこれまでのモデルとは多少趣が異なって、街乗りにも適したスタイリッシュなデザインを身に纏った。同時にレンジローバーの伝統に則って、本格的なオフロード性能を備えており、室内は相変わらずラグジュアリーな空間であった。それゆえ、多くのファンに受け入れられて、2代目へと進化する。

なかでも特筆に値するのが、ラインナップの中核を担う「レンジローバー・スポーツ HST」だ。380psを出力する3LV6スーパーチャージャー・ユニットを搭載し、独自のシャシーセッティングを施すなど、車名にふさわしく、俊敏で安定した走りを実現。室内にも、特別な装備が奢られている。
 
紡がれてきた伝統の上に、現代的なエッセンスを加え、革新的な一歩を踏み出す。レンジローバーとは、そうしたブランドであり、このモデルでは、まさに”レンジローバーの今”が味わえるのだ。

第二次世界大戦後、英国政府が経済を立て直すべく自動車を積極的に輸出するよう奨励した際、戦後の荒れ野原を自在に走れる頑丈な4WDモデルを作ろうとしたのがランドローバーというメーカーの始まりだ。

その本格的な悪路走破性は、1948年にアムステルダム・モーターショーで登場した初代ランドローバーから変わることなく受け継がれており、英国王室から長らく支持されている。

なにしろ、初代ランドローバーから数えて、レンジローバー、ディスカバリー、ディフェンダー、フリーランダー、イヴォークと、すべてのランドローバーが王室紋章を掲げることを許されている。初代から数えて4種の王室紋章を賜っていることに加えて、現在、3種のロイヤルワラントを授かる自動車メーカーはランドローバーだけだ。第一号車から途絶えることなく、ロイヤルワラントを戴き続ける唯一の自動車メーカーである。




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駆動形式 : 4輪駆動
全長 : 4,855mm
全幅 : 1,985mm
全高 : 1,800mm
最高速度 : 210km/h