若返りを図るミランの状況に理解を示しつつも、出場機会がない状況で在籍していることについては「夏に願った移籍が叶わなかったから」と言い切った。 (C)Getty Images

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 オマーン戦翌日の11月12日、取材に応じた本田圭佑はおよそ10分間、熱弁を振るった。話題は自身のパフォーマンスから人生論、世代交代についてなど多岐にわたったが、代表での「先発降格危機」に対する反論とともに力が入ったのが、所属するミランでの立場についてである。
 
 本田がここまでのセリエA12試合で出場したのは3試合(80分間)、そのうちスタメンとしてプレーしたのはたったの1試合だ。ヴィンチェンツォ・モンテッラ新監督が気に入る若手のスソやエムバイ・ニアングの後塵を拝す日々。ミラン入団4年目で間違いなく最も苦しい状況に置かれている。しかし、日本代表とは違い、ミランにおける自分の状況には、理解できる部分があるのだという。
 
「ミランでは外される理由に納得できるものがある。(今年5月の)コッパ・イタリアの決勝の後にも言ったけど、自分の中で成果を残せなかった。カカ、(マリオ・)バロテッリ、フェルナンド・トーレス、(ステファン・)エル・シャーラウィ……。いろんな名選手がミランの困難な状況をチーム一丸となって何とかしようとしたけど、乗り越えられなかった。俺もそのひとり。完全に若返りを図ったチーム編成で俺が外されるのは理解できる」
 
 本田によれば、キャプテンのリッカルド・モントリーボ(左膝靭帯断裂で現在離脱中)にも同じ兆候が見られており、「ひとつの時代が終わった」という雰囲気を感じると語る。ただし、“理想郷”にはほど遠いミランにまだ籍を置いているのは、自分の意志というよりも、現時点ではそれしか選択肢がないからのようだ。
 
「俺は自分が代表に相応しい選手か、そうじゃないか、自分で判断できると思っている。ミランではそれが判断できている。現時点でミランにいて、なおかつ試合に出られていないけど、これは(夏に)願った移籍が叶わなかったからいるという状況。別にミランにしがみついているわけじゃない。そこは誤解してほしくない」
 
 今夏の移籍市場で退団を望んでいたと本人が言及したのはこれが初めて。ミランに慰留されたのか、満足な条件のオファーが届かなかったのか、それともクラブ間交渉が成立しなかったのかは定かではないが、本田とミランの契約は来年6月で満了するだけに、いずれにしても再び移籍市場が開く来年1月の退団はかなり現実的と言えるだろう。

 イタリア・メディアは最近、本田がアメリカのMLSや中国リーグへ移籍する可能性を報道。現地では1月にミランを退団することがもはや“既定路線”と見られている。果たして本田は、どこに新天地を求めるのだろうか。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)