高齢化が進んだことで、介護食市場が拡大している。業務用冷凍食品市場においても高齢者向けの給食需要が高まっている。

 矢野経済研究所は給食サービス事業者や在宅配食サービス事業者、加工食品メーカーなどを対象に、介護食市場に関する調査を実施し、その結果を10月28日に発表した。調査期間は7月から9月。調査における介護食は、要支援・要介護認定を受けた高齢者などの利用を想定した食品で、高齢者施設や病院で提供される給食や在宅配食サービスで提供される弁当などの調理品と、高齢者施設や病院、在宅で利用される加工食品を指している。

 2015年度の国内の介護食市場規模は、給食や弁当などの調理品(末端売上高ベース)が前年度比1.6%の4,942億円、加工食品(メーカー出荷金額ベース)が前年度比3.7%増の991億円だった。

 介護食が提供される高齢者施設には、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、有料老人ホームなどがある。それらの中には病院を経営する医療法人が運営するケースもあり、病院給食で実績を持っている給食サービス事業者などが、病院内で利用されてきた嚥下食や咀嚼困難者食などのノウハウを活かして展開しているという。

 在宅配食サービスでは、健常高齢者向け在宅配食サービス業者が、比較的安価な介護食も宅配している。管理栄養士がメニュー作成に携わるなど栄養面も考慮されており、在宅の要支援・要介護認定者の利用が増えているようだ。

 高齢者向けの給食需要は、業務用冷凍食品市場でも拡大している。総合企画センター大阪が7月から10月にかけて実施した「業務用冷凍食品市場に関する調査」の結果によると、2015年度の業務用冷凍食品市場は前年比2.9%増の8,599億円で、2016年度は前年比3.1%増の8,865億円まで拡大すると予想されている。

 2015年度の同市場を業態別にみると、給食は構成比17.1%を占め、前年比1.5%増の1,467億円だった。学校給食が児童数の減少で伸び悩む中、病院や介護施設などで需要が増えて拡大した。そこで、参入業者は成長が見込める介護食を拡充させ、病院や介護施設の需要拡大に向けた取り組みを強化していると同社は指摘している。

 高齢化が進むにつれ、さまざまな要因で一般的な食事が摂れない高齢者も増えており、介護食の必要性は高まっている。介護食関連市場は今後も成長を続けていきそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]