オマーン戦でノーゴールに終わった本田。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 [親善試合]日本 4-0 オマーン/11月11日/カシマ
 
 試合開始から数分後、オマーンが日本陣内にボールを蹴り込む。すると、CBの吉田とオマーンの選手が1対1でそのボールを追う形になる。ワールドカップ最終予選の舞台ならそこで激しいバトルになるはずが、この日はそうならない。

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 ボールを触らずに流してゴールキックにしたい吉田に対し、なぜかオマーンの選手は吉田にたいしたプレスもかけずあっさりと引き下がった。この瞬間、オマーン戦は単なるフレンドリーマッチということを強く再認識させられた。
 
 いわば“観光気分”のオマーンに勝ったところで、「日本は強かった」などと本気で思っているサポーターがどれだけいるだろうか。「多くの人たちが見てくれている練習試合」という小林のコメントが的を射ているように、カシマスタジアムでの雰囲気は最終予選の緊張感とは程遠いものがあった。
 
 オマーンのプレスも中途半端ななかで日本が主導権を握ったのは必然の流れ。ハリルホジッチ政権下で齋藤、永木、丸山、大迫ら比較的フレッシュなメンバーでスタメンを組みながらもスムーズな連係でいくつかチャンスを作れたのは、この日の相手が観光気分のオマーンだったからに違いない。
 
 最前線から下がりすぎなかった大迫のおかげでスペースを潰されずに済んだトップ下の清武がまずまず活躍するなど、ポジティブな面は確かにあった。それでも、4‐0のスコアに対しては、「今回のワールドカップで最終予選に進めなかったオマーンが相手だったからでしょ?」という疑念が拭えない。
 
 本田が「相手が相手だったので」と言う通り、日本の実力を戦術的側面などから分析するに値する試合ではなかったと言えるだろう。こんなに緩い代表戦を久しぶりに見た、というのが正直な感想だ。
 
 確かに1年5か月ぶりに復帰した代表戦で2ゴールを叩き込んだ大迫の活躍は素晴らしかった。それでも、テンションの低いオマーンが相手だったからという側面は無視できない。
 代表経験が浅い選手を除けば活躍できて当たり前というシチュエーションで、むしろ気になったのは本田の低調ぶりだ。前半こそいくつかチャンスに絡んだが、後半に入ってから一気にトーンダウン。結局、61分に浅野と交代した。
 
 10月のイラク戦、オーストラリア戦も同じように、本田は後半にパフォーマンスがガクッと落ちた。かつて内田が「試合でしか身に付かない体力もある」と言っていたが、ミランで出番に恵まれないまま代表戦で使われる本田は“試合用の体力”が備わっていないのかもしれない。
 
 果たして、本田は“ハーフタイムプレーヤー”に成り下がってしまったのだろうか。ひとつ確かなのはこのようなパフォーマンスが代表で続けば、いずれスタメン落ちの憂き目に遭うということだ。
 
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)