90+4分、右足のショットで豪快にゴールネットを揺らし、小林祐希が代表初ゴールを決めた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全3枚)

[親善試合]日本4-0オマーン/11月11日/カシマ

 小林祐希が日本代表初ゴールを決めた。アディショナルタイムに突入していた90+4分、原口からのパスをペナルティエリア内で受けると、持ち替えて利き足とは逆の右足を振り抜き、豪快にシュートをゴールネットに突き刺した。
 
 記念すべき「1号ゴール」。その得点シーンを、小林は次のように振り返った。
 
「以前の自分であれば、ダイレクトで(左足で)合わせて、シュートをふかしていたかもしれない。最初はダイレクトで打とうと思ったけれど、フリーだったので、一度ボールを止める余裕がありました。そういう意味でも周りが見えていた。
 
 試合に入った時(68分に永木亮太と交代し、ボランチで途中出場)からボールを触った時のフィーリングが良く、1対1でも全部勝てていたし、競り合いも負けていなかった。良い『自分試し』にはなったと思います」
 
 とはいえ、彼に慢心はなかった。
 
「ここが本番ではない。4-0の4点目。俺は常に1点目が取りたい。相手が元気な時に決めたい。もちろん出た試合で結果を残すことは大切。フリーだったので、気付いてくれたらいいなと思っていた。あそこに走り込んでいたことに意味があったと思います」
 
 あくまでも15日の大一番、サウジアラビア戦に向けた調整試合という認識だ。刻まれた日本代表での1得点目に、小林は大した価値は感じていなかったのだ。
 
「極端に言うと練習試合。人がいっぱい見に来ている練習試合。本番の予選でこそ(ゴールを)取りたいなという気持ちがより強くなりました」
 
 今夏にジュビロ磐田からオランダのヘーレンフェーンに移籍し、これまで主にオフェンシブなセンターハーフとして、リーグ戦8試合に出場している。「余裕がある。日常生活から」と、24歳の日本人MFは野心をピッチで表現することだけに集中できていると言う。
 
 フットボーラーとしての理想と現実があるが、今はより現実を見つめてプレーできている。そんな心の“余裕”があるからだろう。「本音を言えば……」と、せっかくであれば決めたかった「理想のゴール」についても語った。
 
「うーん。本音を言えば、自分でボールを運んで、自分で決めたかった。もうちょっとドリブルで運んで、ドンと決められれば。まあ、でもサッカーだから、そう上手くはいかない。しょうがない部分はあるから。とはいえシュート1本では物足りないですね」
 
 あくまでも初ゴールは第一歩。記録よりも記憶――インパクトを残す仕事を欲している。
 
 15日に埼玉スタジアムで行なわれるロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のサウジアラビア戦で、出場機会は掴めるのか。トップ下とボランチで目処が立つという点で、小林が戦力の一角に食い込んできたことは間違いない。

取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)