練習前にDF長友佑都らとボール回しに興じるFW本田圭佑

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 世代交代の波は確実に押し寄せている。先発11人中、ロンドン五輪世代が7人を占めた11日のオマーン戦(4-0)。体調不良で欠場した北京五輪世代のDF長友佑都(インテル)は「若い選手たちが躍動していて、見ていてすごくうれしい気持ちになった。僕らが初めて代表に入ったときのような生き生き、ギラギラした感じが何人かの選手には見られた」と、下の世代の台頭を素直に喜んだ。

 10年の南アフリカW杯以降、長友、FW本田圭佑(ミラン)、FW岡崎慎司(レスター・シティ)ら86年生まれの北京世代が中心となって日本代表を引っ張ってきた。14年のブラジルW杯を経て、18年ロシアW杯に向けて若手の突き上げが求められる中、長友自身、物足りなさを感じることもあった。

 オマーン戦の前にはブラジルW杯以降の日本代表について「躍動感がない」と警鐘を鳴らし、「ギラギラしたものを若い選手に出してほしいと言ったけど、長く代表でプレーさせてもらっている僕らももう一度、心の底からそういうものを出す気持ちを持つことが大事」と自戒を込めて言った。

 この日も「僕らがポジションを奪ってきたように、若い選手もポジションを奪わないといけない。30歳の選手が何人も出ているのは、世代交代や底上げがうまくいってない証拠。それは日本サッカー界にとって良くない」と指摘。「僕らを押しのけるぐらいの選手が出てこないと、世界で勝つのは厳しくなる」と、競争を歓迎した。

 オマーン戦ではトップ下のMF清武弘嗣(セビージャ)と近い距離を保ち、細かいパス交換などでチャンスに絡んだ本田はロンドン世代との“融合”に手応えを感じている。「キヨ(清武)をマネジメントしている限りで言うと、キヨは乗せたほうがいいタイプ。追い込んだほうがいいタイプと乗せたほうがいいタイプがいるけど、ゆとり世代ですから」と冗談交じりに笑うと、「上司から叩かれて、我慢してやるより、調子に乗らせたほうがみんな笑顔で楽しくできる。変な調子の乗り方じゃない。許容範囲」と、持論を展開した。

 もちろん、簡単にポジションを明け渡すつもりもない。長友は「(酒井)高徳も(酒井)宏樹も堂々といいプレーをしていた。彼らのほうが僕より持っている能力は高い。僕は年齢から来る経験でがんばっているだけ」と謙遜しながらも、「(試合に)出たい気持ちは強く持っている。それは練習でも体中から出している」と、15日のW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦(埼玉)での先発奪回へ、アピールを続けるつもりだ。

 オマーン戦後の記者会見でハリルホジッチ監督から先発落ちを示唆された本田も「スタメンで出るつもりで自分は準備している」と反論。「代表にふさわしい選手かどうかは自分で判断できる」とプライドをのぞかせた。サウジアラビア戦は6大会連続のW杯出場を懸けた大一番。ロシアに向けた戦いが佳境に入る中、世代間の競争は激しさを増してきた。

(取材・文 西山紘平)


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