TIFFアニ!! 【第1部】 東京国際映画祭 イチオシ・アニメ スペシャルステージ  ©2016 TIFF

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11月3日に大盛況のうちに閉幕した『第29回東京国際映画祭』。今年も洋画・邦画様々な作品が上映され、連日、登壇イベントやトークショーが行われました。

声優ユニットNOW ON AIR 『TIFFアニ!! 第1部』感想動画を見る

そんな『東京国際映画祭』29年の歴史の中で、今回初の試みとなったのが、アニメーション特別企画『TIFFアニ!!』。映画祭ならではの、大きなスクリーンでの映像上映やゲストを迎えたトークコーナーなど、アニメーションの今が分かる特別なイベントとあって、大きな話題を呼びました。

今回、『Character JAPAN』では、この『TIFFアニ!!』の模様を前編・後編に分けてレポートでご紹介。

一緒にこのイベントを体験してくれた、オフィスPAC所属の声優ユニット「NOW ON AIR」のメンバー、飯野美紗子さん&田中有紀さんのコメントやインタビューも併せてご覧ください!

「NOW ON AIR」とは?

映像制作の総合プロダクションである東北新社とCSファミリー劇場がタッグを組み、新世代のヒロイン声優たちを発掘する「キミコエ・オーディション」。

約3,000名の応募の中から選ばれた飯野美紗子さん、岩淵桃音さん、片平美那さん、 神戸光歩さん、鈴木陽斗実さん、田中有紀さんの6名が“あすのヒロイン声優”の座を勝ち取りました。

合格者6名は個々の声優の活動と並行して 「NOW ON AIR」としてユニットを結成 。

2017年夏公開予定の劇場アニメ「きみの声をとどけたい」のメインキャストとしての出演、ランティスからのCDデビューが決定している、大注目の声優ユニット。

田舎の女子中学生×異世界×ダンス! 12月23日公開。オリジナルアニメ映画『ポッピンQ』

『TIFFアニ!!』の司会進行を務めたのは、フジテレビアナウンサーの笠井信輔さん。

「皆さん、なぜ僕がアニメイベントの司会? と思うかもしれませんが、浪人時代は『マクロス』のリン・ミンメイが心の支えでした。そこから『ガンダム』にハマり、『イデオン』に行き、最近では『カバネリ』!

面白かったけど最後は“ここで終わるのかよ!”ってビックリしたけど、映画楽しみですよね」と、いきなり軽快なアニメトークで会場を沸かせました。

イベント第一部にまず登場したのが、12月23日公開のアニメ映画『ポッピンQ』。

東映アニメーション60周年を記念して制作された、不思議な世界に迷いこんでしまった5人の少女たちが、世界の危機を救うためにダンスを通じて心を通じ合わせていく姿を描くオリジナル作品です。

「ほぼそのまま本編の冒頭」であるという、7分の特別映像が上映され、ゲストに宮原直樹監督と友立小夏役の種粼敦美さんが登場。舞台挨拶を行いました。

これまで、『プリキュア』などの東映アニメーション作品を手掛けてきた、宮原監督は本作について「今日ご覧いただいた映像は日常でのシーンでしたが、映画の中ではダンスシーンに一番重点を置いています。

元々、アニメの中で3Dムービーのダンスシーンを作っていましたが、ダンスに人間ドラマを絡めたいと思い作ったのが『ポッピンQ』です」とコメント。

いち早く本作を観た笠井アナウンサーは、ダンスシーンに大興奮したそうで、「ダンスシーンが本当に見事! これ、種粼さん、声優の皆さんで実際に踊った方が絶対に良いですよ!

『ラブライブ!』とか、ライブやったりしているでしょう」と種粼さんに熱烈なオファーをし、種粼さんが「や、やりますか……(笑)」とたじろぐ一幕も。

本作のドラマパートについて「自分の娘2人が、中高生と年頃なので彼女達から感情を研究した」という宮原監督。

種粼さんは「中学生の頃って、今思うと“なんであんな事で悩んでいたんだろう”と思う事があるじゃないですか。そんな気持ちを思い出しました」としみじみ。

劇中の「人には勝負しなきゃいけない時があるき!」というセリフに関連して「宮原監督、種粼さんの勝負時とはどんな時ですか?」という質問が飛ぶと、

「私は声優なのでオーディションの1回、1回が勝負です。22歳で声優になろうと思い、スタートが遅い方なので」と種粼さん。

監督は「『ドラゴンボールZ』を作っていたのに、そこから『プリキュア』に行った事も勝負ですかね(笑)」と笑い、最後に「『青春も冒険である』という作品です。

タイトルも内容も謎だらけだと思いますが、幅広い年齢の方に楽しんでいただきたいです」と映画をPRしました。

■飯野美紗子さん&田中有紀さんはこう見た!
「タイトルから、どんな作品なんだろう? と想像がつかなかったのですが、映像ではキレイな日常の風景が描かれていて、それぞれの悩みがリアルで惹き込まれました。これからダンスシーンや異世界の描写が入るなんて、ギャップにビックリしました」(飯野)

「主人公の小湊伊純(こみなといずみ)が走るシーンから始まりますが、映像がキレイでビックリしました! 後ろの背景と、キャラクターの動きがとてもなめらかで、はやく全部観たいです!」(田中)

憧れの声優・石田彰さんにキャーッ! 『チェインクロニクル〜ヘクセイタスの閃〜』

続いては、大人気スマートフォン向けゲーム「チェインクロニクル」のアニメ化、『チェインクロニクル〜ヘクセイタスの閃〜』。

世界最速上映となった、第一章冒頭20分の映像の後に、主人公ユーリ役の石田彰さん、アラム役の山下大輝さん、工藤昌史監督が登場。

ゲーム版からキャラクターボイスを担当している石田さんは「既にショートフィルムという形でアニメ化させていただいていて、恵まれた作品だと思っていたんですが、新たにまた作られるということで、こんな2段階でのアニメ化があるのかとびっくりしましたし、喜びもひとしおでした」と話し、

山下さんは「僕自身、ファンタジーが大好きで、小さい頃は、魔法を使ってみたい! 剣で戦いたい! とか思っていたので、この世界に飛び込めることにワクワクしました」とそれぞれコメント。

工藤監督は「最初からクライマックスで、観客の皆さんが置いてけぼりになるのでは……と思いましたが、(今日の観客の皆さんの反応を見て)皆さんを信じてやってみよう! と思いました。

この世界観に入っていただければと思います。ゲームをやっていて自分が感動したところは絶対に盛り込みたいと思いました。

またゲームでは描かれていないところまで描かないと、世界が狭くなってしまうので、そこもぜひ楽しんでいただければと思います」と本作について語り、観客からは大きな拍手が贈られました。

また、ゲームでは“1人40役”を務めている事に対し、石田さんは「アニメ化にあたり、いくつに減らしていただけるのかな? という感じでした。演じ分けたりするのは大変ですので……。演じ分けるのはコツというよりも“勢い”ですね。ビジュアルからのインスピレーションに乗っかりました。今回は1役でよかったなと思います。でも正直(山下さんが演じた)オリジナルキャラのアラムならやってもいいかな…って思いましたね(笑)」と話し、

山下さんが「ちょっとやめてくださいよ!(笑)」と、慌てる場面もありました。

■飯野美紗子さん&田中有紀さんはこう見た!
「石田彰さんは昔から憧れている声優さんで、舞台上ですが実物にお目にかかれて感動してしまいました! アニメはダークな世界観で一気に惹き込まれました。今後の展開が気になりすぎますっ!」(飯野)

「今回観させてもらったのが、1話の冒頭という事でしたが、これからどうなっちゃうの?! というほどの波乱の展開でした。ゲームをまだプレイした事が無いので、この後すぐにダウンロードします!」(田中)

シリアスな映像に魅入り、中村悠一さん&櫻井孝宏さんの掛け合いに沸いた『虐殺器官』

『TIFFアニ!!』最後の作品となったのが『虐殺器官』。

2009年に34歳の若さでこの世を去ったSF作家伊藤計劃氏の処女作であり、カルト的な人気を誇る同名小説のアニメ化。

円城塔氏との共作「屍者の帝国」と、遺作である「ハーモニー」と共に3作連続公開される予定だったものの、制作スタジオの倒産により公開延期。

様々な困難を乗り越え、2017年2月3日の公開が正式に発表されました。

会場では、本編の冒頭映像をたっぷり贅沢に上映。

会場がしん、と静まり返るほどの完璧な世界観の再現に、笠井アナウンサーも「これは“アニメ”というジャンルにくくれない、ものすごい作品です。ハリウッドの映画に負けていない!」と大興奮。

ダークでハードな作品ならではの緊張感の中、主人公クラヴィス・シェパード大尉役の中村悠一さん、クラヴィスが追う謎の男ジョン・ポール役の櫻井孝宏さんが登場すると、笠井アナウンサーが「誰かと思ったら、おそ松とカラ松じゃないですか!」と、中村さん&櫻井さんをいじり、一気に和やかなムードに。

原作について中村さんは「オーディションを受ける際に原作を読みました。戦いのシーンや会話など、映像映えしそうだなと思いましたが、中途半端に作るとみっともない作品になるとも思いました。

セリフ量も多いんですが、それを削ると『虐殺器官』ではなくなってしまう。それをどうするのか? 楽しみでもありました」とコメント。

ようやく公開が決定した事に関しては、「ニュースの翌日に『虐殺器官』の取材が入ってたんですよ。ネットでニュースを見てマネージャーに「ニュース見たけど、明日って取材あるの?」と電話しました(笑)。結局、取材はなくなりました。

でも、再出発のチャンスをいただいて、あの時よりも時間をおいて、より良いものに仕上がっていくだろうと思いました。音が入って、重厚感がより増したと感じました」と、主人公役の声優にとっても寝耳に水であったという、秘話を明かしました。

櫻井さんは、自身が演じるジョン・ポールについて「物語のキーマンです。タイトルにもなっている“虐殺”を起こしてしまうものを見つけた人です。

虐殺って凄く強くて怖い言葉ですが、そこから想像されるものとはちょっと違う、深い怖さを持ったキャラクターです。最初は出てこないですが、彼が出てきた時が、物語の核心に迫っているという難しいキャラクターでもありました」とコメント。

続けて「血の表現など、目を覆いたくなるような、容赦のない表現になってますが、それが最後につながるフックとなっています。リアリティ、―もしかしたらあるんじゃないか? こういう未来が来るんじゃないかという予感など、いろんなことを考えさせられる作品です」と作品の魅力を語りました。

倒産を経て、自ら「ジェノスタジオ」を設立し、完成にこぎつけた『虐殺器官』の救世主である山本幸治プロデューサーは、この前代未聞の倒産・公開未定騒動について、「ここで頑張って作りきれば、目立つなと思って作りました(笑)」と一言。苦労を経てきた人だからこそ言える、この言葉に会場からは大きな声援が贈られました。

■飯野美紗子さん&田中有紀さんはこう見た!
「伊藤計劃作品は、アニメの主題歌が大好きなアーティストの『EGOIST』さんだったので、それをきっかけに知り、映画を観て、本も読んでいます。

今回観た冒頭の映像だけでも、とても深く考えさせられるストーリーで、完成した作品を観るのが楽しみで仕方ありません。原作ももう一度読み返してみます」(飯野)

「櫻井さんもおっしゃっていましたが、ハードなシーンもしっかり描かれているところに気合いと覚悟を感じました。

また、公開が決まるまで様々な困難を乗り換えた、スタッフ・キャストの皆さんの苦労と頑張りに驚き、感動しました。公開がとても楽しみです」(田中)

後編では、女性向けアニメ音楽誌「LisOeuf♪」の人気企画、声優・野島健児さんによる「のじけんBAR」の公開イベント『Supported by LisOeuf♪(リスウフ) のじけんBAR〜TIFFアニ!!にきまぐれ開店!〜』の模様、そして、飯野さん&田中さんのインタビューをお届けします。