状態の悪さが目立った本田圭佑【写真:Getty Images】

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対照的だった清武と本田

 11月11日、カシマスタジアムでのキリンチャレンジカップ・オマーン戦に臨んだ日本代表。サウジ戦を中3日で控える状況のなか、大迫勇也、齋藤学ら新戦力がテストされるいっぽうで、ヨーロッパのクラブで出場機会の少ない選手たちも起用された。好印象を残した選手たちもいたが、これまで日本代表をけん引してきた本田圭佑は全く本調子でなかった。(取材・文:西部謙司)

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 サウジアラビア戦まで中3日という日程を考えると、オマーン戦は戦術やチームの完成度を問うような試合ではなく、サウジアラビア戦でベストな編成を行うべく、選手個々の状態をみるのが最大の目的だろう。

 おそらくテストの必要性がないと判断された長谷部誠は起用されず。香川真司と長友佑都はコンディションが整っていないという理由で起用が見送られている。キリンチャレンジカップの選手交代は6人なので、5人はフル出場しなければならない。西川周作、丸山祐市、酒井宏樹、酒井高徳、山口蛍が90分間プレーした。

 所属クラブでの出番が少ないため試合勘をつけさせたい3人として、本田圭佑が61分まで、吉田麻也は78分、清武弘嗣は71分までプレーした。吉田と清武については問題なし。清武は1得点2アシストで攻撃を牽引していた。ポジティブな結果である。

 一方、本田は全く本調子でないことが確認された。こちらはネガティブな結果だ。サウジアラビア戦のような重要な試合には経験のある選手を使いたいだろうが、オマーン戦の状態のままでは無理だ。

新戦力のテスト。先発組はいずれも好プレー

 新戦力としてテストしたのは大迫勇也、永木亮太、齋藤学、小林祐希、久保裕也の5人。

 先発した3人はいずれも良いプレーを見せていた。2ゴールの大迫は61分までプレー。ボックスで勝負できるCFはハリルホジッチ監督の好みにも合っているようだ。68分までプレーした永木も手堅いプレーをみせた。74分まで引っ張った齋藤は、攻撃で清武とともにチャンスメーカーになっていて、交代カードとしてメドが立ったのではないか。

 交代で入って約20分間プレーした小林と久保については純粋なテストだと思う。小林はパス&ムーブで自分を中心に攻撃を動かしていける貴重なタイプだが、サウジアラビア戦でいきなりの起用はないだろう。

 10〜15分間のみプレーした森重真人、原口元気はまず間違いなくサウジアラビア戦の先発だろう。テストの意味合いはなく、あまり長い時間プレーさせて疲労させたくないので、このぐらいの時間でいいわけだ。

 交代出場で約30分間プレーした岡崎慎司、浅野拓磨は従来からの戦力。本田、大迫よりプレー時間が短いのは、相対的にテストの必要性がさほどなかったからと考えられる。ただ、岡崎はまだコンディションが上がりきっていない印象だった。浅野は右サイドで起用されたのがテストといえばテストだろうか。

サウジアラビア戦のメンバーは?

 サウジアラビア戦は3ポイントを獲りにいく試合である。そうなるとオーストラリア戦のように守備重視というわけにもいかない。少なくとも、戦術的には敵陣でプレッシングを行う守備が必要になる。

 オマーン戦から想像される予想メンバーはGK西川、CB吉田、森重。SBは酒井宏樹と長友か酒井高徳。ボランチには長谷部、山口。山口をフル出場させたのはやや引っかかるが、大一番は手堅くいくだろう。勢いのある井手口陽介は魅力的だが、オマーン戦に起用していないので、いきなりサウジアラビア戦はなさそうだ。

 MFの左は原口で決まり。残り2つのポジションは香川の状態次第か。トップ下に香川、右に清武。あるいは清武をトップ下にして、右に浅野という可能性もある。本田の起用が難しい状況で、オマーン戦に浅野を右で起用した意味が出てくるかもしれない。

 1トップは大迫か岡崎。ただ、香川を起用しない場合は大迫、岡崎の2トップも考えられる。相手に引かれたときの強攻策がサイドアタックしかないので、中央にクロスボールに強いFWがいたほうがいいからだ。また、岡崎はトップに張らせるよりも、レスターと同じく運動量を生かした潤滑剤的な役割のほうが向いていると思う。

 これまでのハリルホジッチ監督の起用法からみると、香川がフィットすれば清武がベンチに座ると考えるのが自然かもしれない。71分までプレーさせたのも気になる。ただ、セットプレーのキッカーとして清武は必要だ。同じく、オマーン戦の出来に関わりなく本田を先発させる気もするが、今回はギャンブルになってしまう。もし起用するなら2トップの1人としてのほうがいい。

(取材・文:西部謙司)

text by 西部謙司