鴨緑江大橋

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中国の税関当局は、今月に入ってから北朝鮮に向かうトラックに対して厳しい検査を行なうようになった。それに伴い、中朝間の物流に支障が生じている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

中国丹東の貿易業者によると、中国から北朝鮮に向かうトラックは従来、税関の業務終了時間の午後5時を過ぎても検査が受けられたが、今月から翌朝まで待たされることになった。税関が午後5時をもって、有無を言わさず業務を終了するようになったためだ。

丹東税関はその理由について「上級機関の大連税関でネットワークの電源をオフにするので、検査ができない」としている。

このような状況は、国境に架かる橋の構造から起因している。

中国の丹東と北朝鮮の新義州(シニジュ)を結ぶ鴨緑江大橋は1車線しかない。そのため、偶数月は北朝鮮側に、奇数月は中国側に橋を優先的に通行する権利が与えられるしくみになっている。

中国側に優先権のある月の場合、北朝鮮から来るトラックは午前11時を過ぎてようやく橋を渡れる。以前なら、中国入国が多少遅れても問題なく日帰りできたが、今では翌日にならなければ、北朝鮮に戻れない状況だ。

一方の北朝鮮は、これに対する報復として、中国のトラックの荷降ろしを到着翌日に行わせるなど、意図的に遅らせる措置を取っている。

このような状況は、一時言われていた中国による「制裁の事実上の終了」とは関係ないようだが、中国と北朝鮮の税関は、以前からトラブルが起きるたびにこのような「意地の張り合い」をしており、荷主やドライバーの間からは不満の声が上がっている。

中国がこのような措置をとった理由は定かではないが、北朝鮮が難癖をつけて開通が遅れている「新鴨緑江大橋」を早く開通させるように促す意味合いがあるとの見方がある。

中国は22億2000万元(約34億2000万円)の建設費を全額負担し、鴨緑江大橋から下流10キロのところに、新鴨緑江大橋を2014年10月に完成させた。ところが、北朝鮮当局が、接続道路や税関などの整備を全く行っていないため、未だに開通できずにいる。北朝鮮は、中国に対して残りの施設の建設も要求し、中国は難色を示していた。

中朝両国は先日25日と26日、平壌で開かれた国境共同委員会第3回会議で、新鴨緑江大橋の開通について話し合った可能性があると韓国の聯合ニュースが伝えている。