「パークコート青山 ザ タワー」の総天然大理石のバスまわり

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●バブル崩壊後の最高価格タイ記録

 10月15日から三井不動産レジデンシャルが、最高価格15億円の住戸がある「パークコート青山 ザ タワー」の販売をスタートさせました。

 この15億円という価格。この春にやはり同社が売り出した東京・赤坂檜町のマンションと同じで、バブル崩壊後に販売された新築マンションとしては最高タイ記録になるようです。赤坂檜町は15億円の住戸を含めてすでに完売しており、この青山についても、同社担当者によると「15億円の住戸は契約のメドがたっています」としています。

●超高額物件は市場動向とは関係ない?

 今年に入ってから、首都圏マンション市場は価格が高くなりすぎたこともあって契約率が低下しているため、販売抑制が続いています。それでも、なかなか販売が回復せず、厳しい環境が続いているのですが、こうした超高額物件に関してはそんな一般的な動向とは関係がないようです。10億円以上のマンションを現金で買える人は、市場動向とは無縁の超越した存在なのかもしれません。

●高くても買いたくなるだけの理由がある

 たしかに、価格は高いのですが、資力さえあれば、ぜひ手に入れたいと思わせるだけの条件が揃った物件であるのは間違いなさそうです。

 まず立地。東京メトロ銀座線・半蔵門線・都営地下鉄大江戸線「青山一丁目」駅徒歩3分という抜群の交通アクセスを誇ります。東京・南青山は都心にありながら周辺には明治神宮外苑、赤坂御用地、青山霊園などの豊かな緑の残る場所で、しかも赤坂、六本木、表参道など世界の文化、流行をリードするエリアの中心に位置します。富裕層ならずとも、垂涎の立地といっていいでしょう。

●ユニークなデザインで富裕層の満足度高める

 建物や設備・仕様、管理などが富裕層も満足できるレベルの高さであるのはいうまでもありません。

まず、マンションとしては極めて珍しい曲線を活かした外観デザインが大きな特徴。富裕層の優越感をくすぐるような、一目でそれとわかるユニークなファサードといっていいのではないでしょうか。「世界は曲線でできている」というコンセプトに基づくもので、建物内の共用部、専有部にも随所に曲線が活かされています。

●パノラマビューや最上階のインフィニティプール

 曲線を活かしたパノラマビューを満喫できる曲線のバルコニーが配され、最上階の26階にあるプールでは水がガラス越しに流れ落ちるような幻想的な光景を生み出します。25階にはフランス人デザイナーのブルーノ・モワナー氏がデザインしたスカイラウンジがあり、2階レベルのプライベートガーデンには、世界的な彫刻家・安田侃氏の作品が配置されています。

 住む人たちが楽しむと同時に、訪問客をやさしく迎えてくれる、そんな仕掛けに満ちています。

●住戸内も総大理石などの贅を尽くしたつくり

 もちろん、専有部も超豪華。15億円の234.04平方メートルのモデルルームは、この広さで1LDKの間取りプラン。ファミリーというより、子どもたちが独立したシニアなどを念頭にゆったりとくつろぎ、また多数のお客さまを迎えてホームパーティーなどを楽しむような設計になっています。

 居室内にも曲線が多用され、以下の写真にあるのは寝室に設けられたジャグジー付きのバスと洗面。全面イタリア産の大理石貼りで、優雅なバスタイムを楽しめそうです。

●ホテル以上のホスピタリティに満ちたサービス

 管理面では、24時間有人管理は当然で、コンシェルジュサービスのほか、駐車を担当者に任せることができるバレーパーキングサービス、買物の荷物などを運んでくれるポーターサービス、料理・掃除などの家事代行のホームアテンダントサービスなどが揃っています。ホテル並み、ホテルライクにとどまらない、それ以上のプレミアムなサービスが用意されているといっていいでしょう。

 富裕層というよりは、もはや富豪といっていいような人たちを満足させる管理体制が揃っているようです。

●平均坪単価は950万円で、最高は2100万円超

 この「パークコート青山 ザ タワー」は鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造の地上26階・地下1階建てで、総戸数は163戸です。そのうち110戸が一般分譲される予定で、10月15日からの第1期販売対象は55戸。専有面積は70.07〜234.04平方メートルで、間取りは1LDKから3LDKです。

 気になる価格は、1億7880万円から15億円。平均坪単価はおよそ950万円になるそうですが、最高15億円の住戸に限ると坪単価は2100万円を超えます。

●一般分譲以外の住戸はどうなっているのか

 ところで、163戸のうち一般分譲は110戸ですから、残りの53戸は地権者などの事業協力者や三井不動産レジデンシャルの関係者などに優先販売されるようです。

 そうした住戸のなかには、実は専有面積350平方メートルの住戸もあるとか。一般分譲で234.04平方メートルが15億円ですから、350平方メートルになると、坪単価2100万円として計算しても22億円超になります。超プレミアム住戸ですから、もっと高いかもしれません。これまでの最高15億円といっても、実は隠れ20億円、30億円のマンションがあるわけです。

 実際のところ、どれくらいの価格がわが国最高価格のマンションなのか、庶民には窺い知れないところです。

●世界には435億円のマンションがある!

 でも、それで驚いていてはいけないのかもしれません。2014年に完成したフランス・モナコにある、コートダジュールを望むマンションは日本円で約435億円。最上階から5フロアを占有し、専有面積は約3300平方メートルと日本のマンションとはスケールが異なります。

 専任のコンシェルジュがいるほか、プライベートなスパ、シネマやプールまであり、庶民感覚ではとても想像できません。住宅ジャーナリストとしては、ぜひ一度拝見してみたいものですが、まあ一生縁がないでしょうね。
(文=山下和之/住宅ジャーナリスト)