ハリルホジッチ体制下で初先発した齋藤(11番)は、持ち味の鋭いドリブルを活かしチャンスメイク。上々のパフォーマンスを披露した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 今回のオマーン戦では4選手(丸山、永木、齋藤、大迫)が現体制下で初先発を飾るなど文字どおり“テストマッチ”となったわけだが、収穫と課題を覗かせた。

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 まず良かったこととして触れるべきは、大迫のパフォーマンスだ。ケルンで出番を掴んでいるだけあって動きのキレやゲームフィーリングが良かったし、なにより2得点してアピールできたことは今後につながる。
 
 勝負強さがあるだけでなく、大迫の場合はポストプレーも上手い。清武や本田を上手く活かせていた点でも貴重な存在であることを証明してみせた。もちろん、格下だったということも差し引くべきだが上々のパフォーマンスを見せたことを考えれば、サウジアラビア戦でのスタメンはありだと考えて良い。
 
 そのサウジ戦では岡崎も先発候補に挙がるだろうが、フリーの場面でシュートをふかしてしまうなど本調子とは言い難い。ハリルホジッチ監督もそれは感じているはずだし、大迫にチャンスが与えられる可能性は十分あると思う。後半序盤で交代したところを見ても、そんな予感がする。
 
 また、前線3枚の左で先発した齋藤の出来も見逃せない。この試合の日本は先制するまで主導権を掴めずにいたが、彼の積極的な仕掛けと背後へのランニングがあったからこそ徐々にリズムを引き寄せられたのだ。ゴールやアシストと言った目に見える結果こそなかったが、随所で効果的な働きを見せていたのは間違いない。
 
 2点目の場面を振り返ってもらいたい。清武が大迫の足もとへ縦パスを通し、シュートフェイントをかけて右足に持ち替えて決めた得点だったが、なぜDFが大迫の動きに簡単に惑わされたかと言えば、齋藤がその横でおとりになったからに他ならない。つまり相手からすれば、大迫がボールを受けた瞬間、そのままパスを出されたら「危険な存在」になっていたのだ。
 
 このようにゴール前に顔を出しつつも、サイドで打開力を発揮していた齋藤のプレーはインパクトを与えた。直近の代表戦におけるパフォーマンスを考えれば、サウジ戦ではおそらく、原口が先発すると見られる。
 
 ただし試合展開次第では、切り札の投入もあり得る。その一番手として、齋藤に賭けてみるのは手だろう。リズムを変え得る力を持っているだけに、仮にチャンスが訪れるようであれば、この日のようなパフォーマンスをぜひとも披露してほしい。
 新たな発見があったのは喜ばしい一方で、少し気になった点もあった。とりわけ、右サイドのコンビネーションに問題が感じられるのは課題のひとつに挙げられる。
 
 その元凶とも言えるのが、右SBを務めていた酒井宏だ。ワールドカップ最終予選でも感じられたことだが、1列前に位置する本田とのコンビネーションにどうしても違和感が拭えないのだ。
 
 例えば本田がサイドでボールをキープした際、良いタイミングで攻め上がっていない場面が見受けられる。もちろんすべてのプレーが悪いわけではなく、身体を張ったプレーでピンチの芽を摘み取ったり、球際への激しいチャレンジなど目を見張る部分もある。
 
 ただ、技術面や判断のミスが多々あり、右サイドの連係がスムーズに機能しているとは言い難い。1列前の本田を上手くサポートして、自らも活きる関係性を築ければもっと攻撃に厚みが出る可能性も考えられる。それだけに、サウジ戦では酒井高を右SBに置き、左SBには長友を置いた形を試してほしいとの想いもある。もっとも、その実現には体調不良を訴えている長友のコンディションが回復しない限り困難なのだが……。
 
 もうひとつ触れたいのが、CBの層に厚みをもたらせなかったことだ。オマーン戦では丸山が起用されたが、残念ながら森重を脅かせる存在とは言い切れなかった。
 
 1対1の局面では危うさが感じられ、ヘディングで競り勝つべきところで後手に回ったり、相手を確実に潰し切れなかったあたりを見ると、ハリルホジッチ監督が確固たる信頼を寄せるには時期尚早だろう。今後しばらくは、吉田、森重がCBに君臨することになりそうだ。
 
 前述した収穫を得た半面、こうした課題は残されたままだが、いずれにせよ、中3日でサウジ戦を迎える。この日のオマーンよりひと回りも、ふた回りもレベルが上がる難敵なのは間違いない。
 
 最終予選突破へ負けられない一戦で、果たしてどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。オマーン戦を踏まえたうえで、選手たちのプレーはもちろん、ハリルホジッチ監督がどのような采配を振るうのかも注目したい。