Spotify Premium使用レビュー。DJアプリやランニング機能など音楽プラスアルファも楽しめる。そしてポケモンGOにも?

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2016年9月の終わりごろにようやく日本に上陸し、今週、11月10日からは誰でも自由に加入できるようになった音楽ストリーミングサービスの巨人ことSpotify。この記事では有料のSpotify Premiumを使ってみて感じたことや応用方法などをご紹介します。

Spotifyとは?


Spotifyはスウェーデンを本拠地とする定額制音楽ストリーミングサービス。すでに日本でも普及しているApple MusicやGoogle Play Music、AWA、LINE MUSICなどと同様に、毎月980円を払うだけで、好きな音楽が聴き放題になります。また、Spotifyは無料プランも用意しており、こちらでも音楽を聴くことはできます。ただその場合は基本的にシャッフル再生となり、この曲を聴きたい!というのがあったとしても、それを指定することはできません。ただし、スマートフォン以外では毎月15時間分だけは、オンデマンド再生も可能です。

 

 

Spotifyが日本国内でサービスを開始した当初は、アーティストによってはアルバム一覧が表示されなかったり、PCデスクトップ版とiOS版で検索結果が異なったりといった微妙な部分も多少は残っていました。ただ、すでに1か月以上が経過した記事執筆時点では、アーティストや作品のラインナップはほぼきちんと表示され、前述の不具合は解消されています。

Spotifyはプレイリストが楽しい


Spotifyの特長のひとつは何と言っても充実のプレイリスト。PCアプリ版SpotifyのBrowseページを開くと、そのトップページには、まず最初におすすめプレイリストがいくつか提示してあり、その下にチャート(ランキング)ページへのリンク、さらにジャンルや気分で分けたプレイリストへのリンクが並んでいます。どれもユーザーがひと目で自分の聞きたい音楽を選択できるよう整理されており、プレイリストの表示もわかりやすいタイトルとサムネイル(?)、その下に説明文とリストのフォロワー数が表示されるため、プレイリストの内容と人気の具合を直観的に把握できるようになっています。

PC版Spotifyアプリで「ファンク」を検索したときのプレイリスト表示例。

タイトルを完全に表示し、象徴的なサムネイルや長めの説明文を添えています。

これがたとえばApple Music(iTunes)だと、まずプレイリストのサムネイルが同じように見え、さらにレイアウトの都合かタイトルの文字がすべて表示されません。これだと、どんな音楽のプレイリストなのかがクリックするまでわからない場合があります。

 

Windows版iTunes(Apple Music)で「ファンク」を検索したときのプレイリスト表示例。

赤枠のプレイリストはサムネイル内にFaith No Moreのジャケットがあり、下にはロックの文字もあるものの

実際にはクリックするまでこれが「ベスト オブ ファンクメタル」だと気づきませんでした。

Apple Musicにはキュレーターによるプレイリストの提供という大きな特徴もあるものの、キュレーターに関する説明はサムネイルをクリックしなければ見ることができず、音楽にたどり着くまでに必要な情報が不足しているように感じられます。

全体的にみてSpotifyのプレイリストの提示のしかたは、ある程度聴きたい音楽が定まっている人に「こんなのもあるよ」と、好みに近い音楽を提示している印象ですが、Apple Musicはむしろ音楽へのこだわりが薄い、もしくは何を聴けばよいかわからない人に「これがおすすめですよ」と提示するスタイルのようにも思えます。

自分でわざわざ音楽を探すよりも流行の音楽や他の人から勧められた音楽を試しに聴いてみて、好きかどうかを判断するという人にはもしかするとApple Musicのほうが合っているのかもしれません。

もちろんどちらのサービスも膨大な数のプレイリストが用意してあり、掘り下げていけば初心者向けからニッチなジャンルの非常に濃厚なリストまでザクザク出てきます。音楽的探究心の旺盛なユーザーならいくらでも楽しめることに違いはありません。

Sppotifyで好きなアーティストをフォロー


日常的に音楽を聴く人でもそうでない人でも、お気に入りのシンガーやバンド、アーティストというのがあるはずです。Spotifyに限らず音楽ストリーミングサービスでは、そうしたアーティストをフォローすることで最新情報を得られるようになっています。Spotifyの場合は、たとえば登録したアーティストが新曲を公開するとお知らせメールが届き、そのメールから直接Spotifyアプリを起動していち早く楽曲を楽しめます。

Spotifyでカラオケ練習


Spotifyの日本上陸の際に、新機能として提供したのが歌詞表示機能。音楽ストリーミングサービスがCDに比べて弱いところはインナースリーブのアートワークが見られないところと、歌詞が付属しないところです。Spotifyは日本の歌詞投稿サイト「プチリリ」と提携することで、この弱点のひとつを克服してきました。もともとプチリリではスマートフォン向けなどに再生する音楽に合わせて歌詞を表示するアプリを公開しており、この機能をSpotifyのPC/スマホ版アプリに取り込んだ格好です。

 

 

実際に歌詞表示モードで再生してみるとこれがなかなかうまく同期してしており、カラオケの練習に使うこともできそうです。ただ、ミックス違いなど同じ曲でも尺が違うバージョンを再生したりすると、オリジナル用の歌詞と同期タイミングが合わない現象も発生します。ちなみに再生する曲の歌詞がプチリリに存在しなければ歌詞は表示されません。また一部に楽曲との同期再生に対応しない歌詞もあります。

Apple MusicはiOS 10の提供にあわせて歌詞表示に対応しましたが、特にSpotify(プチリリ)の場合は日本の楽曲の歌詞が充実しているのが大きな強みと言えそうです。

Spotify + DJアプリ


Spotifyのサービス開始でちょいちょい話題となっていたのが、iPhone用のDJアプリ「djay 2 for iPhone」でSpotifyから楽曲を取り込めるということ。djay 2アプリは2014年からSpotifyインポートをサポートしていたものの、ようやく日本でもこの機能が使えるようになったわけです。

 

とはいえ、さすがに人前で感心されるほどのDJプレイをするにはアプリ操作方法の熟知とそれなりの準備、練習が必要です。すでにDJとして活動している人には最高のツールになるであろうものの「ちょっと試してみたい」という超初心者では、楽曲の選択や再生場所の指定、テンポの同期といった操作をまともにこなすのはほぼ不可能。身近にDJプレイ経験者がいれば、その人から教わる必要がありそうです。

初心者にはむしろdjay 2のマッチ機能とAutomix機能の組み合わせが面白いかもしれません。この機能は楽曲選択で「マッチ」を指定すると、最初の楽曲と似たリズム、テンポ(BPM)の楽曲を自動的に提示してくれます。さらにこれらをAutomix機能を使って再生すれば、ピックアップした楽曲をシームレスに連続再生することが可能。日常生活のBGM用として使ったりもできそうです。

Spotify Runningで走る


スマートフォン版のSpotifyアプリには、Spotify Runningというジャンルがあります。このジャンルのプレイリストは、ランニングをしている間、140〜190歩/分の範囲でランニングペースに合ったテンポの楽曲を自動的に再生し続けてくれるという便利機能を備えています。走るリズムと音楽のリズムがシンクロすることで、ランニングペースの維持効果が得られるうえ、楽曲は完奏を待たず次々と切り替わっていくため、聴いていて気持ちがダレることもありません。

 

 

Spotify Running + Runkeeperでもっと走る


Spotify RunningはRunkeeperアプリとの連携も可能です。ペースに合った音楽を聞きつつRunkeeperでアクティビティを記録できます。Runkeeperには様々な景品が抽選でもらえるチャレンジイベントがあるため、どんなアクティビティもRunkeeperでトラッキングしておきたいユーザーにおすすめの機能と言えるでしょう。

 

Spotify Running + Runkeeper + ...ポケモンGO?


さらに、Runkeeperアプリは、Spotify Runningを使いつつランニング以外のアクティビティを記録することも可能です。そこでおすすめなのがウォーキング。Spotify Runningで再生する極の歩数/分の設定を最低の140歩/分にすれば、少し早足に感じるぐらいのペースでウォーキングができるはずです。

公園の遊歩道など安全な場所をウォーキングコースにしている人なら、Spotify Running + Runkeeper + ポケモンGOという複合技も使えます(iPhoneで確認)。Sporify RunningとRunkeeper でウォーキングアクティビティを開始し、さらにこの状態でポケモンGOを起動すれば、ポケモンGOのBGMとしてSpotify Runningの音が流れる状態となります。

 

このときポケモンGOアプリの画面上部には「"Runkeeper"が位置情報を利用中」と表示が出ます。あとはスマートフォンを逆さまにした状態で手に持つか、ポケットなどに逆さまになるように入れれば、ポケモンGOは省電力モードとなり、Spotifyの音楽を聴きつつRunkeeperでウォーキングをトラッキングできる状態になります。

実際に試してみると、これが思いのほか快適。Spotifyのペースに合わせて気持ちよくウォーキングをしつつ、ポケモンの出現音がしたら(周囲の安全確認して)立ち止まり、ポケモンを捕獲。そしてすぐにウォーキング再開。これならウォーキングのペースの乱れもそれほどアクティビティに影響しません。またペースの速いランニングでは移動距離のカウントが止まってしまうこともある "ふかそうち" も、しっかりとタマゴを孵すことができました。

ちなみにポケモンGOプラスをこの使い方に組み込めば、さらに快適性が増すのではという気もします。ポケモンGOプラスが手元にないため、今回は確認作業を見送りましたが、もし手元にあるのなら試してみる価値はありそうです。

なお、Spotify Running、Runkeeper、ポケモンGOは、いずれも危険な場所や他人の迷惑になる状況では使わないようお願いいたします。

まだ日本上陸していないSpotifyの一部機能


日本市場への参入に思いのほか時間を要したSpotify。音質や楽曲の取り揃えに関しては他の音楽ストリーミングサービスとほとんど違いはありません。しかし、実際に使ってみると「聴きたい音楽にスムーズにたどり着ける」というごく当たり前のことがSpotifyは優れているように思えます。そしてこれこそが実はSpotifyの表には出てこない強みかもしれません。

またモバイルでの利用もペース配分に合わせたテンポの楽曲を自動選曲するRunning機能、さらにRunkeeper連携機能を提供するといった他にはない実用性にも非常に好感が持てました。

あとは願わくば、海外ではRunning機能とともに利用可能になったNowやShow機能をはやく使えるようにしてほしいところです。これらはSpotifyアプリで動画やポッドキャストが視聴できる機能。音楽を聴きつつ、ふとニュースや面白い動画を見たいと思ったときにおすすめのコンテンツをガイドする機能。さらにSpotifyは独自の映像コンテンツの制作・配信を開始していることを考えると、日本のSpotifyにはまだまだお楽しみが隠されていると言えそうです。

ちなみにSpotifyは無料プランが提供されていますが、有料のPremiumもお試しで期間を30日設けてあり、その間は無料で使うことができます。少しでも興味を持たれたなら試してみてはいかがでしょうか。

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