米国次期大統領に共和党のトランプ氏が当選した。予想外の結果にアジア諸国にも衝撃が走り、警戒や戸惑いの声が広がった。トランプ氏同様、暴言を繰り返すドゥテルテ比大統領との相性も注目されている。

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2016年11月11日米国の第45代大統領に当選した共和党のドナルド・トランプ氏。予想外の結果に世界に大きな衝撃が走った。超大国の指導者としての手腕は未知数。アジア諸国にも警戒や戸惑いの声が広がった。フィリピンではトランプ氏と同じように暴言を繰り返すドゥテルテ大統領との相性にも注目が集まっている。

南シナ海の広範な領有権を主張し、米国と対峙(たいじ)する中国。習近平国家主席は9日、トランプ氏に祝電を送り、「あなたと一緒に衝突せず、対抗せず、相互尊重の原則を堅持するよう努力したい」と呼び掛けた。

特に中国が関心を寄せているとみられるのは、オバマ政権が打ち出した「アジア重視戦略」の行方。民主党のヒラリー・クリントン氏が当選すれば、アジア重視戦略は引き継がれる可能性が高かった。

中国メディアは論評を避けているが、日本メディアの中には「習指導部は経済問題ではトランプ政権と衝突が予想されるものの、南シナ海の領有権争いでは孤立主義的なトランプ氏の方が、クリントン氏よりくみしやすいと考えている」との分析もある。

朴槿恵大統領の知人女性による国政介入疑惑に揺れる韓国では、「トランプ大統領」に警戒感が高まっている。選挙期間中、在韓米軍駐留経費の負担増や対北朝鮮政策の見直しに言及していたためだ。

朴大統領は10日午前、トランプ氏と電話で10分程度会談。聯合ニュースによると、韓国の外交当局者は「トランプ氏は『米国は韓国防衛のために強固な防衛態勢を維持する』と述べた」と説明した。

これに対し、、有力紙の朝鮮日報は「米国が韓国を守らない状況への備えはできているのか」との社説を掲載。「トランプ次期大統領の外交政策には『新孤立主義』と『米国最優先』」という二つの軸がある」と指摘した上、「われわれが国防を事実上米国に委ね、国内での争いにばかりに熱中してきたのは事実であり、このままではいつか米国が完全に方針を見直した時に、われわれは自分たちを守ることができるだろうか。今こそ国民の誰もが真剣に考えなければならない」などと論じた。

中央日報も「トランプ氏の勝利で二重の危機を迎えた大韓民国」との社説で、「悪夢が現実になった」と前置き。「特に韓国は今、事実上の国政まひ状態だ。トランプ氏の当選という外部の変数までが重なり、韓国はまさに『内憂外患』の二重の危機に直面することになった。米国が公約した拡張抑止力に対する信頼が揺れる場合、北朝鮮の核問題を原点から見直すことになるかもしれない」などと憂慮している。

一方、ロイター通信によると、反米発言を続けるドゥテルテ比大統領は9日、訪問先のマレーシアでトランプ氏に触れて「私たちはともに暴言を吐く。ささいなことについても、暴言を吐く」と言及し、「トランプ氏が勝った以上、私は誰ともけんかしたくない」と述べた。暴言を封印したかにもみえるが、前言を翻すのは日常茶飯事だけに先行きが危ぶまれそうだ。(編集/日向)