「SMAP、着替えまーす!」
5曲を歌い終えたあと、中居の合図でステージ裏に捌けたメンバー。ところが着替えをする様子がシルエットで映し出される。
上着はまだしも、ズボンまで脱いでいる! 途中、腰をフリフリしているのはきっと中居くん。木村くんはシルエットでもセクシーさが伝わってくる。


SMAPデビュー10周年コンサート


2001年7月28日新潟県長岡市・国営越後丘陵公園からスタートした「SMAP'01“ Tour”」。9月30日のツアーラストまで、全国9か所18公演、75万人を動員した。映像作品は9月23日の東京ドーム公演を収録。2001年12月12日発売。

木村「今日は4人しかいないけど、思いっきり最後までいくぞー!」
草なぎ「5人のSMAPは不滅だよ!」
香取「ゴローちゃんの分まで盛り上がれ!」
中居「ゴローをみんなで待とうぜ!」

『$10』から勢いよくスタートしたステージ。5曲目『KANSHAして』の間奏でメンバーが叫んだ。残念ながら稲垣吾郎が謹慎中で、8月後半からの公演は4人で行われた。

デビュー10周年の節目に行われたツアーらしく、デビュー曲『Can't Stop!! -LOVING-』やファーストアルバム収録曲『Don't Cry Baby』と、懐かしい選曲が続いて、10年を振り返るにふさわしいセットリスト。
懐かしい歌に浸っていると、花道をチャリで走る草なぎと中居。草なぎからチャリを受け取った香取はペダルをこぎながら歌ってる。中居はマイクを持たずに口ずさむ。近所のおっちゃんか!
特に、『正義の味方はあてにならない』は、SMAPの2ndシングルということもあり、10年のキャリアを積んだ分だけパフォーマンスに余裕がでたような、変わらない部分もあるような。デビュー当時の思い出して懐かしい気分に浸れる。

8月4日からスタートした大阪公演。初日はメンバー全員で朝の5時までミーティングをしていたそう。
「朝5時まで打ち合わせしてた。でもね、ライヴのときっていうのは、本当に1年に1回メンバーがいろんなことを話すときでもあってさ。(中略)毎年毎年ライヴのときはいっぱい話をするし、そのライヴを積み重ねていくことで、僕たちの結束力もだんだん深まってきたような気がするんだよね」
(ポポロ/2001年11月号)
作られたステージの上で、ただ歌うだけじゃない。すでにスタートしているツアーでも、公演ごとにステージを作っているのだ。

突然はじまった「ビストロ裏SMAP」。映像に中居が1人で2役こなし、慎吾ママのはずが、剛ママと拓哉ママが登場と目まぐるしく展開していった。特に拓哉ママはスカートをひらり、サービスショットも……。まさに“裏”の顔が見られた。
『らいおんハート』で登場したマスクをかぶったDJ。曲が終わり、DJの楽屋へカメラがついていくと……マスクをとったら大物女優が登場。「あらやだ、エレキバン貼るの忘れちゃった」…相変わらずゲストが豪華。

“5万人のうち1万人のメガネが割れた”と噂される中居のソロでは、お兄ちゃんにおばあちゃん、お父さんと中居家が映像で出演。慎吾ママの登場には、会場の子どもも「おっはー!」。大きな会場で豪華ゲストの出演もあるのに、アットホームな雰囲気でファンを包みこむのはSMAPならでは。

ドン引きされても…コンサートの最後はハッピーエンド


ツアーは9月30日に、札幌でファイナルを迎えた。稲垣不在で迎えただけにメンバーもファンも不安だったのだろう。
「まずメンバーがひとりずつあいさつをして、それから曲に行き、デベソのステージで打ち上げしようって段取りだったんですよ。そのコメントのときなんですけど……。やっぱり今年は、4人しかいないことによって僕たちもお客さんも淋しい思いをしたというか、残念だったっていう思いが強かったんですね。で、ひとりずつあいさつしていくうちにみんなウッとなってきて、涙、涙…になっちゃって」(ポポロ/2001年12月号)

メンバーもファンも泣いている状況を前に中居は、
「僕の中には『ライヴの終わりはハッピーエンドじゃないといけない』っていうのが昔からあるんです。淋しい気持ちのまま別れるなんて、僕は絶対にイヤだったんですよ」
しんみりとした会場で、リーダー中居はあえてテンションを上げて挨拶をした…
「会場がドン引きになりまして(笑)。『おまえは空気が読めないのか!』みたいな。メンバーもそんな感じで……。あのときは、『やばい。このままだと俺は“人でなし”と思われる』と思いましたけどね」
メンバーにとってもファンにとっても1年に1回のコンサートは大切なもの。リーダー中居の思いはきっと伝わっていたはず。

SMAPを悩ませていた噂


この頃からメンバーを悩ませていたのが、度々流れていた解散の噂。
香取は、「昔から解散とか色んな噂が流れるたび僕は困ってた(笑)。『今なくなられても……。この若さで人生のデカイものを失ってどうする……』みたいな(笑)。ふつうの人が成人式を迎えて『今から!』っていう時期に『はい終了!』って言われても、どうしていいかわからないでしょ」
(ポポロ/2001年7月号)

中居はこんな策に打って出た。
「どういうわけか毎年解散の噂が出るからねぇ。それが一番の悩みだったりして。でも、“解散しません!”って言ったところで、言葉だけじゃ説得力がなかったりするでしょ。それじゃ、自分の中で何が一番みんなを説得しうる表現なのかなぁって思った時に、“来年もライブやります!”って言うのが、少なくともここ1年は安泰だなってお客さんに思ってもらえるんじゃないかな、と」(ポポロ/2001年2月号)
来年のツアーを、勝手に宣言してしまうことで噂を蹴散らした。何よりもファンの気持ちを汲んでくれているのが嬉しい。
10周年直前のインタビューでも中居は、
「これからのSMAPというのは、野望とか目標よりも続けることの難しさだと思います」(女性セブン/2001年8月9日号)
売れなかった時代もあれば多忙な時期もあり、メンバーの脱退に結婚、謹慎といろんなことが起こった10年間。何があってもファンを見てくれて、前を向いて進んできたSMAP。そんな彼らが出所の不明の、しかも意に反する噂と戦ってきたことを思うと胸が締めつけられる。

SMAPの10年の振り返る


「10年前はまだマネージャーもいなくて、仕事も電車やスケボーで行ってた。ある時SMAP6人分のスケボーを誰が持つかってジャンケンしたら僕が負けて、一番小さいのに両手に6枚持たされて、あれは辛くて本当に泣いたね(笑)」
インタビューで香取はデビューからの10年間を振り返っていた。
メンバーの中でも一番年下の香取。デビューが早かったこともあり、10周年を迎えても24歳の若さ。そんな香取に対して、年長者の中居と木村は愛情たっぷりに接していた。
「『未成年』の最終回の直後に中居君が電話くれて、『最高のドラマだったよ』って言ってくれたこと。電話自体はそんなにしないのに、あの時はすぐにかかってきて、『未成年サイコー!おまえたちも最高!』って結構長々と。もうちょっとウザイくらい(笑)。でもうれしかった」
反対に、木村主演のドラマ「HERO」をみて、ちょっと茶化した感じで木村に感想をメールしたところ、『あそこは笑うシーンじゃない!みんな真面目にやってるんだから、そういうふざけた見方をするな』とメールで怒られてしまったことを明かしている。
前出の草なぎのコメントにあるように、役者や司会とソロ活動が盛んになってきた頃。そんな合間をぬって愛情を注いでいた。

10年の節目に、中居によるメンバーのひと言評があった。(女性セブン/2001年8月9日)
香取「いちばん大人」
草なぎ「一途」
稲垣「外務」(行動が国際的だから)
木村「真面目」
中居「子供」
この頃から相変わらず「恋愛には興味がない」と一貫しているけど、「いろんなグループが結成され、解散するけど、僕たちだけはずっと続けていきたいなと思います」SMAP愛は、はっきりと口にしている。

中居からいちばん大人と評された香取は、10周年を迎えても“下積み”と意外な評価をしていた。
「まだ下積みなんじゃないかな。これからの方がもっとSMAPおもしろそう。やっとカッコよくなってきたところだから。男としても。自分のその中にいるけど、メンバーのことはホントにカッコいいと思うし」
稲垣に対しては自分の世界を持っているところを挙げ、草なぎについてはがんばりすぎていることを尊敬すると同時に心配もしていた。
中居については「あの人がSMAP好きだから、SMAPがあるんじゃないかと思うくらい」、木村には「カッコイイ!何がじゃなくて、この世にカッコイイ人として生まれるべくして生まれてきた人」
一番年下だけど、年下だからこそメンバーのことをよく見ているのだろう。

香取は最後にあふれんばかりのSMAP愛を語った。
「10年後、僕は34歳。中居君や木村君はもう40歳近いんだよね(笑)。でも、SMAPではある。あって欲しい。それもSMAPだからこそありえそうでしょ? 50歳、60歳になってもずっとSMAPでいたいから。再結成っていうんじゃなくてずっとこのまま見てもらえる場所にい続けられたらカッコいいよね」
(ポポロ2001年7月号)

会場が大きくになるたびに、「来年、お客さんが入らなかったら…」と不安を覗かせている中居。対照的に「これからのSMAPが楽しみ」と前向きな香取。個性豊かなメンバーがいろんなコメントを残しているけれど、どの言葉からもSMAPでい続けようという思いが伝わってくる。

(柚月裕実)

【SMAPライブDVDレビュー企画】(毎週金曜更新)
SMAPの解散が報じられ、ジャニーズファンのライターとして何かできることはないかと、SMAPライブDVD全作レビューに挑戦することにしました。
SMAPがこれまでに見せてくれたステージを、改めて振り返ってみたいと思います。