「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」(テレビ東京系、毎週金曜深夜0:52〜)。住みたい街ナンバーワンの吉祥寺に店を構える重田不動産。そこを切り盛りする双子、都子(安藤なつ)と富子(大島美幸)が毎週新たな街を紹介する。先週放送の第4話は「秋葉原」。


住みたい街=パワースポット説、成立ならず


今回重田不動産を訪れたのは、離婚が決まった麻衣子(西田尚美)。結婚してから吉祥寺にしか住んだことがなく、初めての一人暮らしとなる彼女を、重田姉妹は秋葉原へと連れて行く。食に特化したアンテナショップやケバブ店をめぐったあと、二人が麻衣子を誘った場所は、ディアステージ。でんぱ組.incを生んだ店だ。テンションが上がる麻衣子に、都子は「あんた、アイドル好きでしょ」「店に来たとき、音もれてたし」と見抜く。

ちなみに、麻衣子が夫とのゴタゴタのなか観ていたアイドルたちが歌っていたのは「オニサンコチラ」という曲。調べたところ「パワースポット」というアイドルグループが歌っているようだったので、「なるほど、こののドラマは訪れる人々にとっての『パワースポット』探しだものな」と納得していたら、何らかの理由で彼女たちは「#ドルーチュ」というグループ名に改名? していた。レビューとしてはうまくつながらず残念だが、よくよく調べるとメンバーも多少変わっており、色々と複雑なのかもしれない。麻衣子同様、アイドルもいろいろたいへんだ。がんばってほしい。

又吉コーナーの魅力は「音」にあり?


今回、都子と富子はちょっとした音から客自身の望みを見抜いた。
そもそも、このドラマは
【客が思いがけない街に連れて行かれ、そこの魅力を発見する本編+勲男(浅香航大)とピース又吉とのやりとり+御厨(田口トモロヲ)のロック喫茶でのひとコマ】で30分間が構成されている。
かねがね、途中で挟み込まれる又吉コーナーの心地よさはなんだろう? と思っていたが、今回、もしかしたら「音」がその理由のひとつかもしれないと気づいた。
深夜、自宅で携帯をチェックしながら、あるいは雑誌をめくりながら、ちょっと一杯やりながら観るテレビ。そんななか、又吉が登場するシーンはナレーションで処理され、画面から視線を外していてもすべて把握できる。又吉が淡々と、温度の低い声で迷うその雰囲気は、そのまま自分の考えごとにシンクロしていくかのようだ。勲男が又吉にお題を送る数分間も、ギターの音にのせてただただパタパタとキーボードの音が鳴るだけで、これはこれで気持ちいい。
もちろん、ちょっとでも目を離したら小ネタを見逃してしまうようなドラマもいい。だが、休日前のひととき、観るともなく観ていてなんだかいい、というドラマも悪くない。「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」は後者の代表として、深夜にひっそりと人々を癒しているのではないだろうか。

(釣木文恵)