荒涼たる北の大地に吹雪が舞う冒頭から、ある種の雰囲気は醸し出している。釧路の雪原から身元不明の老人の遺体が発見される。さらにタクシー運転手も殺される。担当するのは赤子の時に母親が消えた新人刑事の大門真由(柴咲コウ)で、孤独な育ち故に人と打ち解けない。元刑事の父・史郎(塩見三省)も余命いくばくもない。

町の有力者たる米澤水産の女社長、米澤小百合(余貴美子)に対して、掃除婦の千恵子(宮本信子)は妙に優しい。千恵子とスケートリンクで知り合って顔見知りだった真由は、次第に事件の渦中に巻き込まれてゆく。

途中をすっ飛ばすと千恵子と小百合は子供の頃、極貧のストリッパー小屋で育った姉妹で、2人して人買いに売り飛ばされ離れ離れで育つ。昔のことで強請られた小百合が殺人。妹だと知った千恵子が身代わりで自首してきて真由が取り調べる。

筆者はまるでモノクロ撮りのような画面を見ながら内田吐夢の映画「飢餓海峡」を思い出した。話は全然違うのだが。折角ロケを多用した映画的作品なのに、編集者は耳が悪い。会話の音撮りが完璧ではないのにギターの劇伴が被って益々会話が聞きとり難い。アホか。

また、スペシャルだというのでスポンサーを集め過ぎた。CMで途切れ途切れでドラマ的情感がぶった切られる。柴咲コウはきりりとした瞳が射るように鋭く、自身の屈託ある生い立ちを体現している。脚本もよかったのに演出がイマイチ。一流になり損ねて残念。(放送2016年11月5日21時〜)

(黄蘭)